2018年の自動車トレンドを牽引するのは中国

IoTとAIの普及を背景にサーバの需要が高まっている。ただし、AIアプリ用サーバは、アーキテクチャ上、高密度コンピューティングで使用されるサーバとは異っているとDRAMeXchangeのアナリストであるMark Liu氏は指摘する。また、そうした背景から「アジアのサーバメーカーは、業界の構造変化とサーバユニットのコンピューティングパワーの進歩のおかげで、より多くの成長機会を見込むことができるようになるだろう。これはHuawei、Sugon、Inspurのような中国のサーバ製造業者と台湾企業が受益者になるということを意味する」と、市場の変化を説明する。

また、TrendForceの上級産業コンサルタントであるTim Pai氏によると、自動車業界の開発の焦点が、内燃機関からEVへと移行し、最終的にはインテリジェントな自動運転に向かっていることに触れ、自動運転車の実現可能性が、車載センサの統合、大規模なデータ処理、AIアルゴリズムの改良とともにますます現実味を帯びていると指摘。ただし、自動運転車の普及には、エンドユーザーの信頼を高める必要があるほか、法律/規制の枠組み確立や支援インフラの構築など、いくつかの困難な課題を克服する必要があることも指摘している。

自動車のEV化の台風の目になりそうなのが中国だ。中国政府が重点開発テーマに上げている新エネルギー車(NEV)は、中国の自動車メーカーだけでなく、世界の自動車産業にとって重要な開発テーマとなる。また、中国政府の政策は、バッテリー産業の長期戦略にも影響を与えるようになっている。TrendForceでは、2017年の世界における新エネルギー車が使用するバッテリーの電力量は37GWhを超えると推定。内訳としては、乗用車17GWh、バス15GWhとしている。

TrendForceのグリーンエネルギー研究部門であるEnergyTrendのシニアリサーチマネージャーであるDuff Lu氏は、NEVにおける三元系カソード材料を用いたバッテリの使用が近年、技術の成熟に伴って拡大していると指摘。NEVにおける三元系電池の普及率は、2015年の45%から2017年には70%にまで高まると推定されている。また、電気バスでは、コストと性能のためにLFPカソードへの依存度が依然として高いが、そうした事情にもかかわらず、電気バス市場における三元系電池の普及率は、2017年に10%以上増加すると予測されており、こうした背景から業界の主要プレーヤーたちの売り上げは伸び続けるとしている。

なお、将来、業界間の提携に起因する供給モデルの革新を除けば、製品仕様の改善は企業の発展に重要な役割を果たすと見られる。コバルトの価格は2017年に5年ぶりの高値を記録しており、コバルト市場は長期的には強気な価格が維持されるとEnergyTrendでは見ているという。