置き換えダイエットでやせたあと、リバウンドしない方法は?

「置き換えダイエット」という言葉を聞いたことがある人も多いだろう。1日の食事のうち、1~3食をダイエット食品に置き換えてやせる方法だ。実際に、短期間で大幅減量に成功した芸能人が話題になるなど、「短期集中」で「結果が出る」というイメージが強いかもしれない。

一方で、「短期間で大幅にやせてリバウンドはしないのか? 」という疑問も浮かび上がる。今回は、置き換えダイエットのやせる理由とリバウンドのリスク、注意点について、医療法人社団一信会 ティーアイクリニック 理事長の田原一郎医師にうかがった。

カロリーが低いからやせる

置き換えダイエット食品は、種類も豊富だ。酵素ドリンクやプロテインのシェイクといったドリンクタイプから、ゼリーやクッキーなどのスイーツ・菓子タイプまで幅広い。カロリーや栄養バランス、腹持ちなどにこだわった商品が各メーカーから販売されている。

置き換えダイエットのやせるメカニズムについて、「1日の摂取カロリーを抑えることで、当然ダイエット効果が期待できます」と田原医師。

メーカーによってばらつきはあるが、ダイエット食品は1食200kcal未満程度のものも多い。ちなみに、厚生労働省が定める1日における推定エネルギー必要量は、50歳未満の成人男性で2,650kcal、50歳未満の成人女性で1,950~2,000kcal(身体活動レベルが「ふつう」の場合 / 「日本人の食事摂取基準 2015年版」より)。例えばカツ丼やラーメンといった高カロリーメニューを食べた日は、1食でもカロリーを抑えられれば、カロリーオーバーにならずに済むはずだ。

そして、置き換えるなら「夕食」がベストだという。

「特に夜間に特別な運動をしない限り、通常は夕食で摂取したカロリーがエネルギーとして消費されることがほとんどありません。そのため夕食に高カロリーな食事を摂(と)ってしまうと太りやすくなります。ですので、その夕食にダイエット食品などを摂取することで、よりダイエット効果が期待できるでしょう」。

栄養の偏り、リバウンドに注意

中には、結果を出そうとして1日3食を置き換える人もいるだろう。間食なども控えられれば、短期間で大幅減量も見込めるに違いない。その一方で心配なのが、健康への影響とリバウンドのリスクだ。

田原医師は、「1日の食事すべてを置き換えてしまうと、極端な栄養バランスの崩れなどのリスクが生じます。また、体重とともに筋肉量が落ちてしまうことにも要注意です。筋肉量の低下は代謝の低下につながり、リバウンドの原因になると思われます」と指摘する。

そして取り入れる際の注意点について、「前述のように、より効果的な夕食1食などの置き換えなどにとどめ、翌朝の食事は栄養バランスの取れたものをしっかり食べるようにしましょう」とアドバイスをくれた。

短期集中でやせたいと思うとき、置き換えダイエットは選択肢の1つだが、やりすぎは禁物だ。極端なカロリー制限の結果、ダイエットに成功したとしても、後々リバウンドをしてしまっては元も子もない。取り入れる際は、くれぐれも無理のない方法で行うようにしよう。

※画像と本文は関係ありません

記事監修: 田原一郎(たはら・いちろう)

医療法人社団 一信会 ティーアイクリニック 理事長

平成11年に日本医科大学医学部を卒業後、日本医科大学附属病院 第一外科に勤務。平成19年より平成立石病院や都内美容クリニックなどで実績を積む。 平成24年に医療法人社団 一信会 ティーアイクリニックを開院。同クリニックが監修する糖質制限食専門レストラン「TI DOCTORS RESTAURANT(ティーアイドクターズレストラン)」のオーナーも務める。


医学博士
日本医科大学大学院 分子生物学分野
学位論文;Systemic Cancer Gene Therapy Using Adeno-associated Virus Type 1Vector Expressing MDA-7/IL24
アメリカ遺伝子治療学会にて講演後、Molecular Therapy(Impact Factor 7.149)掲載
日本外科学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医