こんにちは。プログラミング クラブ ネットワーク : PCN の 原です。
最近、新聞・テレビを賑やかす 自動運転 やドローン、 IoT(モノのインターネット) などのキーワード 。これらはすべて、プログラミングが主要技術として使われています。
僕が子供の頃は、プログラミング = ゲーム というような図式が多くを占めていた気がしますが、いまは本当に多様な範囲の応用事例が身近に多くあって面白いですね。
paprikaも、プログラミング と ロボット作り(ロボティクス)との融合事例のひとつです。低価格コンピューターの出現で、子供でも手が届くというのが嬉しいところです(大人も気軽に取り組めますし!)
まだ誰も気づいていない、あっと驚くような組み合わせが広がりそうで、今後も楽しみです。
前回までの paprika
前回までの行程によって、paprikaの特徴的なボディが完成しました。
今回は、足回りのキャタピラを用意します。モーターと連動して動くギヤーボックスを作ってから、キャタピラと合体させていきます。最近登場した、足回りが異なる兄弟機ソビーゴとも比較してみて、それぞれの特徴も把握しておきましょう。
paprikaとソビーゴ
IchigoJam で ロボットプログラミングを楽しむロボットであるpaprika と、 兄弟機のソビーゴを比較してみましょう。どちらもかわいい段ボールロボットである事は共通です。購入時の決め手は、顔? でしょうか。個人的には、好みの顔を選ぶのが良いのじゃぁないかなぁ、と思います。兄弟なので顔は似ていますが、次のような違いがあります。
お父さん・お母さんが、悩まれる場合は、お子さんの年齢・過去の工作経験を参考にするといいかもしれません。Paprikaは、本連載で紹介しているように工作部分が多くなるので小学生高学年以上、もしくは過去にプラモデルを作った経験があると良いと思います。それに対して、ソビーゴは小学生低学年でも大人のサポートがあれば作れます。
価格は異なるのですが、ソビーゴはIchigoJam T 本体とキーボードが付属する上に、電話サポートがあるので、必要な物を買い揃える事に不安がある場合には良い選択だと思います。また、ドライバー1本で組み立てができるように作られていて、電源スイッチも使いやすい位置にあるので、足回りの組み立て工作・扱いの不安やが少ないのはポイントですね。
どちらも、オンラインショップで購入することができます。
なお、いずれの場合も動かし方は同じなので、組み立てた後に行うIchigoJamでのプログラミングは同じ内容となります。ディスプレイについては、第2回を参考に家のテレビ・小型テレビを購入するなどの対応を。
ギヤーボックスを組み立てよう(説明書 ページ11。めやす時間 : 20分)
写真のツインモーター ギヤーボックス(以下、ギヤーボックス)を用意します。この手順では、paprikaの組み立て説明書ではなくて、このギヤーボックスに同梱の説明書にそって組み立てを行います。このギヤーボックス組み立てが最難関!ポイントですので、じっくり取り組みましょう。
ギヤーボックスの説明書には3つのタイプ別組み立て方法が紹介されていますが、paprikaには「低速仕様<Cタイプ>」を使いますので、そちらの説明を見ながら作成します。箱の写真はAタイプ完成イメージなので、これから作るCタイプの完成品とは細部が異なります。
まずはパーツの準備です。プラスチックのパーツもすべて、ランナーから外して準備しましょう。小さなパーツが多いので、なくさないように皿にいれておくと良いですね。
一緒に使う工具は、プラスドライバー、ニッパー、カッターです。またギヤーの潤滑のために、グリスを使いますので、手を汚した時のためのハンカチなども用意しておくと良いです。
途中で出て来るイモネジをはめるときは、六角レンチの先に取り付けてから進めると楽に出来ます。
ギヤーボックスが組み上がったらグリスを塗ってあげましょう。モーターを回転させると全体になじむので、点々と数ヵ所塗るイメージで大丈夫です。
モーターを組み立てよう (説明書 ページ11。めやす時間 : 20分)
ギヤーボックスが組み上がったら、モーターとドッキングさせます。ドッキング時は、モーターについている小さな金属が外側に向くように入れば完成です。
ここで、paprikaの組み立て説明書 のページ11 に戻ります。あとは、ケーブルをモーターに配線すればOK。ケーブル外側のビニール部分を取り除くのが、少し難しいかもしれません。はさみで軽く挟んで、切らないようにクルっと回し、ビニールに跡が付いたら、指でグルグル回しながら取る。こんなイメージでやってみてください。
最後の仕上げの黒チューブも、クルクル回しながら押し込むと、はまりやすいですよ。
あしを作ろう 1(説明書 ページ12。めやす時間 : 15分)
次は、ページ12 を見ながらパーツを用意します。モーター用のネジと六角ナットは、ギヤーボックスの箱に入っているパーツを使います。
オレンジ色のプッシュリベットは、次のように使ってパーツを固定します。
あしを作ろう 2(説明書 ページ13。めやす時間 : 15分)
次は、トラック&ホイールセットを使ってキャタピラ部分を作ります。同梱マニュアルは使いませんので、paprikaの組み立て説明書だけを見て進めましょう。ホイールB, C の順番で取り付けて、最後にギザギザの付いたホイールAをつければ完成です。
あしを作ろう 3(説明書 ページ14。めやす時間 : 20分)
さて、いよいよキャタピラ作りの最終段階。長さの違うパーツを組合せて2本のキャタピラを作ります。1セットは、「キャタピラ30コマ+10コマ+8コマ+10コマ」です。慣れるまで少し難しいので、つなげるのは慎重にやりましょう。
説明書のように、つなげたあとデコボコがないように平らに連結するのが、ポイントです。
今回はここまで。次回はすべてをドッキングして、paprikaを完成させましょう。
挑戦してみよう
トラック&ホイールセット同梱マニュアルを見ながら、キチッと作れているか点検してみましょう。収まりが悪いと、動かしている時に外れやすくなってしまいます。
まとめ
・paprikaの足回りは、モーターで動くキャタピラ
・今回の難関ポイントは「ツインモーターギヤーボックス」
・モーターの動きが、ツインモーターギヤーボックスによって、キャタピラに伝えられる
挑戦してみよう(前回の答え)
残りは少し! がんばって完成させよう。
著者紹介
原 秀一(はら ひでかず)
サーバー・ネットワークが得意なWebシステム系のITプロフェッショナル。福井工業高等専門学校 電子情報工学科、福井大学 情報工学科を卒業。学生時代はプログラミングから逃げ腰だったが、クラウド時代になり35歳から本格的にプログラミングを再開。IchigoJam等を用いたプログラミングを広める団体PCN(プログラミング クラブ ネットワーク)を友人と共に主宰し、主にアフリカ担当としても活動中。