【連載】

これから選ばれる会社の「人事評価」

4 人事評価を行う中間管理職が頭を悩ませる、人事評価制度の運用

高橋恭介
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人事評価システムや人事コンサルティングを手がけている「あしたのチーム」が、年功序列制の評価に関するインターネット調査を実施した。

どの会社にも、代わりのいない優秀な社員が全社員数の1割いるといわれている。有効求人倍率が1.23倍(2015年9月統計)の超売り手市場となったいま、より良い環境を求めて転職を考える人材は確実に増えている。では、優秀な社員はなぜ辞めてしまうのか。その解決のヒントが今回の調査で人事評価制度の運用にあることがわかった。

大きく開く、上司と部下の認識の差

人事評価について部下が満足しているかどうかという質問に対し、「満足している」と回答した人事評価者は、全体で6.3%とわずかとなった。「やや満足している」と回答した38.8%を合わせると45.1%と半数に満たない結果に。

人事評価を導入・検討する立場の経営者・人事担当者、実際に評価を下す評価者が思っている従業員の満足度は、実際に評価を受ける従業員の満足度と大きな差が表れている

また、人事評価に関して部下からの不満の声が「ある」と回答した方が64.3%となる一方、上司に対して評価に対する不満を伝えたことが「ない」と回答した従業員は別調査の結果によると74.3%となっている。部下としては不満を言うことが逆に自分の評価に影響することを懸念しているのか、上司が部下の不満をくみ取ろうとした結果なのか、どちらにせよ上司と部下との認識が大きく開いていることが明らかとなった。

人事評価制度の見直しが「必要」が77.5%

人事評価や制度の見直しが「必要だと思う」と回答した方の理由

  • 「頑張っている人を正しく評価したい」
  • 「部下へのフィードバックがしっかりされてない」
  • 「基準がないため、何人かを評価する際に年齢や性別も含めて悩むことが毎回あるので、判断の手助けになるものが必要」
  • 「会社の規模も小さいので適正な評価制度が確立されていない」
  • 「抽象的な評価内容があり、評価者によって解釈が異なる場合がある。また昇格に関する職能要件も煮詰まっておらず、管理者の力量不足が目立つ」

人事評価や制度の見直しが「不必要だと思う」と回答した方の理由

  • 「他の案がない」
  • 「基本、不満の声が上がったら話し合うようにしているのでそれまでは良いと思っている」
  • 「見直しに時間がかかるので、着手できていない」
  • 「不満をもっているのは一部の部下だから」

「あなたの会社では、人事評価や制度の見直しが必要だと思いますか」に対する回答

評価をする際に「困ったことがある」が74.8%、具体的には?

多くの方が評価の際に悩んだり、困ったりすることが「ある」と回答。また、会社経営者の方の「ある」の回答が64.8%に対して、従業員と共に従事し評価される側でもある中間管理職の評価者は、経営者・人事担当者よりもさらに悩んだり、困ったりしていることがわかった。

「人事評価を行う際に、どのような点で悩むことがありますか」に対する回答

評価を行う際に、実際どのようなことで悩んだり、困ったりするのかを質問したところ、最も多い回答は「目標設定が曖昧なため、評価をしづらい」が52.5%と、半数以上の方が悩んでいることが明らかになった。次いで、「評価基準が曖昧なため、フィードバックを的確に行えない(43.1%)」、「評価と報酬の関連性がもてていないと感じている(38.8%)」となった。この結果によって、評価を行う前段階の目標設定の時点で問題が生じていることがわかった。

一つひとつのプロセスに注目し、行動レベルを綿密にチェックしながら、「目標を達成できたかできないか」で査定し評価するという細やかな目標管理と、人事評価制度の運用を優秀な人材の育成につなげる成果とプロセスのどちらも重視した「新しい成果主義」が重要となっている。仕事の評価を単なる査定で終わらせるのではなく、評価制度を正しく運用することが社員のやる気を引き出し、定着率の向上へとつながっていく。

人事評価の課題「給与や報酬の決定方法」が88.6%

人事評価を行う上で最も多くの方が課題に感じると回答したのは、「給料や報酬の決定方法(88.6%)」。次いで「部下の評価の結果に対する合意(77.3%)」、「フィードバックや部下を評価する時間が取れない(71.3%)」、「部下との関係性で贔屓が出てしまう(62.5%)」となっており、どの項目も半数以上の方が課題と感じていると回答した結果となっている。人事評価を行う評価者は複数のことに対し課題と感じているようだ。

「人事評価を行う上で課題と感じていること」に対する回答

調査の方法

WEBアンケート方式で実施。
従業員300名未満の会社で人事評価をする立場である男女20歳~69歳を対象。
調査実施日:2014年11月12日(水)~2014年11月14日(金)

執筆者紹介

あしたのチーム 代表取締役社長 高橋恭介

1974年生まれ。大学卒業後、興銀リース株式会社にてリース営業と財務に2年ずつ従事した後、設立間もないプリモ・ジャパン株式会社に入社。副社長として、数十名の企業から従業員数500名規模およびブライダルリングシェアNo.1まで拡大。人事にも深く携わり、年間数百名の採用面接を実施。
海外にも会社を立ち上げ、台湾子会社代表を歴任するなどベンチャー企業の成長を最前線で実感し、2008年にあしたのチームを設立。

書籍紹介

会社選びの新基準

著者 : 高橋恭介
発行 : 学研マーケティング 2015年4月7日

終身雇用・年功制という従来の日本型経営がほぼ破滅してしまったいま、社員一人ひとりの能力が真に問われていきます。そのような時代を迎えたいまこそ、売り手市場といえども、一回の選択ミスが人生を台無しにしてしまう可能性もあるのです。企業もまたシビアに選ばれる立場となりました。
人事評価はビジネスパーソンにとっては、自分を正当に評価してくれるシステムであり、経営者にとっては優秀な人材の流出を防ぎ、さらなる優秀な人材を採用できる、経営者もそこで働く従業員も幸せになれるシステムだと信じています。

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インデックス

連載目次
第4回 人事評価を行う中間管理職が頭を悩ませる、人事評価制度の運用
第3回 年功序列制度のメリット・デメリット
第2回 大多数が「満足していない」人事制度の実情
第1回 なぜ、やる気のある人ほど会社を辞めるのか?


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