【連載】

Google世代の整理術「デジタル情報整理ハックス」

27 中途でやめたサービスのデータは…

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使い慣れたツールがあるのに、新しくて魅力的に見える新製品をつい試したくなる。Web上のRSSリーダーや情報整理ツールを使っていても、こんな事がよく起こります。さて問題は、それまで古いツールを使いながら、ためてきたデータの活用法です。簡単に新しいツールへ移行できればよいのですが。

あるある問題:あちこちにデータがちょっとずつたまっていて…

はてなブックマークは言うまでもなく、はてなダイアリー、Googleノートブック、diigo、EVERNOTE、「あとで読む」、紙copiなどなど。このコラムで紹介したツールなどもそうですが、とにかくいろいろな「情報整理ツール」が提供されます。どれも有益そうだし、こうしたサービスをチェックするネットユーザーは「新しもの好き」ということもあって、次々にはしごしている方も少なくないでしょう。

新しいものを「試してみる」ということを悪く言う人はあまりいませんし、実際、進取の気性が賞賛される時代と環境ではありますが、自分でやっていると、面倒な事態に陥りがちだと気づきます。というのも、たとえ短期間でも新しいサービスを試してしまうと、そこに「有益な」情報がたまります。プログラムなどが簡単に自作できる人ならいいのでしょうが、私の場合、情報を簡単に移してくれるサービスがわかりやすい形で提供されていないと、新しいサービスを見つけてそれに移行するとき、以前のサービスにため込んだ情報は、置き去りにされることになります。

「別にかまわない」と割り切ればいいのでしょうが、若干未練も残ります。こういうのをどうしたものかと、よくアタマを無駄に悩ませています。テキストなどの情報を、いちいちコピーする時間と手間をかけるのは、いかにも無駄な気がするし、実際そこまでヒマではありません。

ライフハック:自分のアーカイブをリファレンスにする

私はこの問題で、結構長く悩んでいたのですが、先日からすっぱり割り切って、簡単な解決策を実行中です。すなわち、自分で途中まで使っていたサービスを、「リファレンスサイト」として扱うようにしたのです。もちろん、日経テレコン21などのような本格的なリファレンスサイトがありますが、自分が過去に使っていたオンラインブックマークなどのサービスにためてあるデータは、何らかの意味で自分が「いい」と思ったのですから、そこから意外と「掘り出し物」が見つかることがあるわけです。 「一元化」することの重要性は分かっていても、新しいサービスを試用してみたくなるのは人情というものでしょう。それも、ある程度の期間試してみないと、使い勝手が十分なのかどうか、判断ができません。

新しいサービスを初めて使う頃は、どうしても判断基準が甘くなります。サービスの目新しさもありますし、そもそも「期待している」気持ちが手伝って、「少々の」使いにくさには目をつぶってしまいがちです。

具体的な例を挙げるなら、私はかなり長い間、Femoというサービスを使っていました。オンライン上にカレンダーとタグでメモを管理するという画期的なサービスで、今でもこのサービスは画期的だったと思っていますが、結局のところ、基本的にオンライン上だけでメモを管理するという方法が、自分には向かなかったのです。

また、タグクラウドで基本的にメモを分類するというのも、メモがあまりに膨大になると、容易でないことがよく分かりました。

そういうわけで、Femoにメモを保管したり、ブックマーク代わりに使うのはやめたのですが、それにしてもそれなりの期間利用していたため、かなり膨大な情報がそこに残ってしまいました。

一時、努力してEVERNOTEなどへデータ移行していたのですが、考えてみると実に馬鹿馬鹿しいことをしていると気がつき、今ではただ、自分のFemoをリファレンス代わりにするようにしています。つまり、FemoのURLをブックマークしておいて、ときどき検索をかけてみるだけにとどめているのです。

FemoのURLをブックマーク

このような「リファレンス」の「ブックマーク」が今は4つあります。我ながら目移りの激しさにあきれますが、移行する必要もなく新しいサービスを試す踏ん切りもついたため、これはこれで現実的な対処法と、割り切れるようになりました。

まとめ

このようなやり方を実行に移すには、何はともあれ昔使っていたサービスに、「検索機能」がなくてはなりません。リファレンスとして利用するといっても、検索機能がなければ、どうしようもないかららです。

ですから、新しいサービスを試すにあたっては、検索機能があるかどうか、きちんと機能しているかどうかをチェックしておく必要がありますが、オンライン・サービスのいいところは、新しい機能が付加されるなど、バージョンがどんどんアップしていくことでしょう。

私のような使い方をしているものにとっては、ほとんど使わなくなってしまったサービスであっても、バージョンが更新されることはとてもいいことです。バージョンアップによって、より使いやすいリファレンスサイトとなっていくこともありますし、一度は見切りを付けたサービスに、舞い戻ることもあるからです。もちろんその時には、直前に使っていたサービスを、「リファレンス」にすることになるわけですが。 これは紙の手帳を年末が来るたびに変えたり戻したりする人には、馴染みの感覚かもしれません。しかし、紙に比べてデジタルは、検索機能などがあるだけに、気軽に乗り換えられるという大きなメリットがあるのです。

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インデックス

連載目次
第54回 書評をコツコツ書き貯める
第53回 ブラウザで進捗管理
第52回 スキャンした雑誌・書籍の全文検索
第51回 異なる環境で同じブックマークを使う
第50回 電車の乗り換え情報をアレンジする
第49回 ブラウザのタブを整理する
第48回 電子ファイリングで雑誌をデジタル化する
第47回 DailyFeedでまとめてしまう
第46回 そこで忘れずにこれをする
第45回 タスク情報を整理する
第44回 Twitterの情報を整理する
第43回 情報と情報源
第42回 メールの整理を難しくする「心理」を納得させるテクニック
第41回 「Googleデスクトップ」でEVERNOTEのデータも検索してしまう
第40回 すぐに未読であふれるRSSリーダーをどうするか
第39回 EVERNOTEの階層式タグを使う
第38回 Webサイトの記事を一気に読む
第37回 情報整理と文書作成をひとつのツールで
第36回 EVERNOTEとGmailを組み合わせて強力な検索機能を使う
第35回 異なるブラウザでブックマークを同期する
第34回 フォルダ+タグの使い方の一例
第33回 紙copiNetで一気に大量にチェックする
第32回 PDFファイルは開きたくない
第31回 「情報ノート」をタスクリストとしても使いたい
第30回 あれとあれが一緒になれば
第29回 本で得た知識をまとめたい
第28回 IT時代の記憶術
第27回 中途でやめたサービスのデータは…
第26回 情報からアイデアを発想する
第25回 活用したいと思った情報を必ず活用する方法
第24回 ぼんやりした記憶を頼りに検索する
第23回 「とりあえずとって」おきたくなる原因
第22回 書籍もタグで管理する
第21回 「どうしてもとっておきたいエントリ」はどうするか?
第20回 よくある問題 ブックマークはもちろんしています
第19回 大事な情報に限って出てこない
第18回 連絡先情報をどうするか?
第17回 よくある問題 取っておいても読むチャンスがない
第16回 文字情報をとにかく貯めておく
第15回 英語サイトから情報を!
第14回 分類のされかたを研究する
第13回 ネットで気になる情報。とりあえずどうする?
第12回 タグ自体はどう整理する?
第11回 趣味で文具を買っていませんか?
第10回 情報は回遊させる
第9回 大事な情報はトスアップする
第8回 情報の一元化は超難題
第7回 よくある問題 メールの整理ができない!
第6回 ブックマークを同期する
第5回 よくある問題 RSSリーダーの中の大事な情報
第4回 「仕事用資料」の埋没を防ぐには
第3回 よくある問題 情報のタスク化
第2回 よくある問題 [あとで読む]でも読まなくなる
第1回 よくある問題「タグ」を扱う難しさ

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