【連載】

Google世代の整理術「デジタル情報整理ハックス」

26 情報からアイデアを発想する

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情報がたくさんあっても、そこから勝手にアイデアが生まれてくるわけではありません。しかし、アイデアを生むきっかけは、情報の中に見つけることができます。情報から発想を生むためのハックスを紹介しましょう。

よくある問題:情報を整理してもアイデア発想にはならない

何かこれといったアイデアを得るために、あてもなくネットブラウジングをしてしまう、ということが時々あります。これ自体は、決してよいことだとは思えないので、極力控えるようにしていますが、ちょっとした依存症でやめがたいのです。

言うのも恥ずかしいくらい言われ尽くしていることですが、「ネットには情報が詰まって」います。これは確かにそうです。そして「ネットにはたくさんのアイデアが転がって」います。これまたそうだと思います。

けれども、ネット上にあがってきている情報もアイデアも、そのほとんどは自分自身のものではなく、しかもすでに公開されているからこそ、私などにも、苦もなくアクセスできるわけです。そうした情報を勝手に自分のネタにしてしまったり、そのまま自分が考え出したような顔をするのは、明らかに問題です。

ですから、私のような職業の人間が、「アイデアを求めてネットブラウジングしている」というのは、色々なアイデアに触発されて、よい発想に思い当たることを求めている、という意味になります。

そういうことはもちろん起こるわけですが、検索窓から「欲しい情報を得られるように」検索をかけても、うまくいくことは希です。というのも、たとえば、

「ライフハックについてよく読まれ、よく売れる本を書くためのアイデア」

を求めて情報を検索してみたところで、そのままピタリの情報が見つかることはまずないし、そのままピタリの情報が仮に見つかったとしても、私が勝手に使うわけにはいかないからです。

ライフハック:みんなの意見は「意外と」アテになる

こういう悩みに行き着いたとき、私が頻繁に使っているライフハックスのひとつは、「はてなブックマーク」でタグ検索をかけることです。

はてなブックマークには、タグという機能があります。特に説明は不要かと思いますが、URLをブックマークする際、それが何についてのサイトであるかの指標として、「タグ」をつけることができるわけです。

このタグですが、公開され、共有されているのもご存じの通りです。しかし、最初の頃私は、この公開・共有機能をほとんど意識していませんでした。というのも、人がつけた「タグ」と、自分でつける「タグ」には、たいていなぜか距離があって、人の「タグ」をうまく利用することなど、まず不可能と思えたからです。

けれども最近、「同じ言葉の意味について、このズレはいったい何なのだろう?」と疑問に思うようになりました。たとえば、他の人が「これはライフハック的」とカテゴライズしているサイトについて、自分ではあまり「ライフハック的」と思えないとしたらなぜなのか?

そう思って、「ライフハック」というタグを検索します。そして、ブックマークがたくさんつけられているサイトから表示してみるのです。この例ですと、今現在の最多ブックマークは1228。かなりのブックマーク数です。それを筆頭にしたリストを読んでいくうちに、「ああなるほど。こういうのがライフハック的情報というものなのか!」と感じ入るようになってきます。

「ライフハック」とタグ付けされたはてなブックマーク数上位のエントリ

つまり、「みんなの意見は案外正しい」わけですが、「でもこうしたサイトがないのは、なぜなんだろう?」という満たされない感じが、多少は必ず残ります。自分が多少でも携わっている情報についてなら、残ると思います。

これがアイデアの原型になるわけです。 つまり、「こうしたものがあって欲しいな」と本屋さんなりCDショップに探し求めたとき、そうしたものがないのなら、それは明らかに「アイデア」です。探し方が悪いだけということもあるでしょうが、「簡単には見つからないところに、自分が欲しいものが置かれている」という事実さえも、発想のヒントとなりうるでしょう。

というのも、よほど自分自身がユニークな存在と信じていたとしても、日本中に自分のような人間が、自分以外に誰一人いない、などと信じる理由はまったくありません。自分がそれほど欲しいものであれば、他にも同じものを欲しがる人はきっといるはずですし、自分が欲しいものを見つけにくいと感じているなら、同じように感じる人はきっといるはずです。

そうであれば、自分が置いて欲しいものを作ろうとしたり、自分が探しにくいものを探しやすくする方法を考えたりすることは、無意味なことではないはずです。

まとめ

はてなブックマークのタグを利用して、ホットエントリリストに「ないもの」を探して考えるというのは、私が一番よく実践しているライフハックですが、同じようなことは、テクノラティのようなサービスを使うことでも、もちろん可能なはずです。

私がはてなブックマークを使っているのは、ただ単に慣れているからといっても過言ではありません。ただし、はてなブックマークというのは、ブックマーク数が細かいところまでカウントされるという意味で、使い勝手がいいと感じます。

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インデックス

連載目次
第54回 書評をコツコツ書き貯める
第53回 ブラウザで進捗管理
第52回 スキャンした雑誌・書籍の全文検索
第51回 異なる環境で同じブックマークを使う
第50回 電車の乗り換え情報をアレンジする
第49回 ブラウザのタブを整理する
第48回 電子ファイリングで雑誌をデジタル化する
第47回 DailyFeedでまとめてしまう
第46回 そこで忘れずにこれをする
第45回 タスク情報を整理する
第44回 Twitterの情報を整理する
第43回 情報と情報源
第42回 メールの整理を難しくする「心理」を納得させるテクニック
第41回 「Googleデスクトップ」でEVERNOTEのデータも検索してしまう
第40回 すぐに未読であふれるRSSリーダーをどうするか
第39回 EVERNOTEの階層式タグを使う
第38回 Webサイトの記事を一気に読む
第37回 情報整理と文書作成をひとつのツールで
第36回 EVERNOTEとGmailを組み合わせて強力な検索機能を使う
第35回 異なるブラウザでブックマークを同期する
第34回 フォルダ+タグの使い方の一例
第33回 紙copiNetで一気に大量にチェックする
第32回 PDFファイルは開きたくない
第31回 「情報ノート」をタスクリストとしても使いたい
第30回 あれとあれが一緒になれば
第29回 本で得た知識をまとめたい
第28回 IT時代の記憶術
第27回 中途でやめたサービスのデータは…
第26回 情報からアイデアを発想する
第25回 活用したいと思った情報を必ず活用する方法
第24回 ぼんやりした記憶を頼りに検索する
第23回 「とりあえずとって」おきたくなる原因
第22回 書籍もタグで管理する
第21回 「どうしてもとっておきたいエントリ」はどうするか?
第20回 よくある問題 ブックマークはもちろんしています
第19回 大事な情報に限って出てこない
第18回 連絡先情報をどうするか?
第17回 よくある問題 取っておいても読むチャンスがない
第16回 文字情報をとにかく貯めておく
第15回 英語サイトから情報を!
第14回 分類のされかたを研究する
第13回 ネットで気になる情報。とりあえずどうする?
第12回 タグ自体はどう整理する?
第11回 趣味で文具を買っていませんか?
第10回 情報は回遊させる
第9回 大事な情報はトスアップする
第8回 情報の一元化は超難題
第7回 よくある問題 メールの整理ができない!
第6回 ブックマークを同期する
第5回 よくある問題 RSSリーダーの中の大事な情報
第4回 「仕事用資料」の埋没を防ぐには
第3回 よくある問題 情報のタスク化
第2回 よくある問題 [あとで読む]でも読まなくなる
第1回 よくある問題「タグ」を扱う難しさ

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