Googleドキュメントってどんなもの?

具体的な活用方法の前に、Googleドキュメントの基本構成とそのメリットについておさらいしておきたい。まず基本構成としては、主に「文書」「プレゼンテーション」「スプレッドシート」、さらには「フォーム」「図形描画」「コレクション」といった機能が用意されている。

「文書」は書類作成用の機能で、Microsoft OfficeのWordライクに使えるツールだ。文字の修飾はもちろんリンクや画像の挿入も可能で、社内外向けの書類をオールマイティに作成することができる。

「プレゼンテーション」は、プレゼンテーション資料の作成に最適なPowerPoint風のツール。誰でも簡単に扱える操作方法に加えて、動画を交えた効果的なプレゼンテーションも可能となっている。

表計算やグラフ作成には「スプレッドシート」が実力を発揮する。Excelと同様に関数入力やグラフ作成が行えるほか、マクロのようなスクリプト機能「Google Apps Script」が利用可能。Accessのようにデータベース的な使い方ができるのも特徴と言えるだろう。

「フォーム」に関しては問い合わせなどの一般的な入力フォームだけでなく、Webアンケートとして使えるのがポイントだ。しかも、集計を自動でスプレッドシート上にまとめてくれるため、手間がかからないことに加えて入力ミスによるトラブルも軽減できる。

「図形描画」は、Windowsに標準装備されているペイントのようなツールだ。線、矢印、曲線、多角形、図形の描画、テキストボックスや画像の挿入、さらに作成した図をGoogleドキュメント内でのコピー&ペーストが可能な「ウェブクリップボード」へ保存することもできる。

「コレクション」とは、Googleドキュメントで各種ファイルを管理できる"フォルダ分け"機能のこと。自分だけが閲覧・編集可能な「マイ コレクション」と、複数人でのファイル管理に適した「共有コレクション」の2種類があり、用途に応じて使い分けられるのはもちろん、マイ コレクション内にはサブフォルダも作成できる。

なお、完全とまではいかないが、Wordと文書、Excelとスプレッドシート、PowerPointとプレゼンテーションは互換性があるため、Microsoft Offceで作成したファイルを流用できるのも魅力となっている。

社内外向けの書類をオールマイティーに作成できる「文書」

プレゼンテーション用の資料を簡単に作成可能な「プレゼンテーション」

「スプレッドシート」は表計算やグラフ作成だけでなく、データベース的な使い方ができるのも特徴

入力フォームやWebアンケートとして使える「フォーム」は、スプレッドシート上に自動集計してくれるのも魅力

Windowsに標準装備されているペイントのようなツール「図形描画」

フォルダ分けのような感覚で、各種ファイルの管理が容易に行える「コレクション」

Googleドキュメントのここが凄い!

Googleドキュメントのメリットは、何と言ってもインターネット環境さえあればブラウザ経由でどこからでも使える点だ。もちろんソフトウェアのインストールは不要で、端末に一切依存することなく利用が可能。例えば、会社のデスクトップPCで作成したドキュメントを外出先からノートPCやスマートフォンで閲覧・編集するなど、ビジネスの効率を大幅にアップすることができる。

企業としては気になるコストについても、メールやWebサイト構築を含めたトータルサービスながら、一般的なドキュメント作成ソフトウェアと比べて低価格で導入できるのが嬉しいところだ。バージョンアップなどの各種メンテナンス作業を社内で行う必要がない点でも、運用コストの削減にも貢献してくれる。

機能面での具体的なメリットとしては、複数人での同時編集が挙げられる。例えば、本社と支店間でのテレビ会議中に資料を変更したり、プロジェクト単位で共有ファイルを編集したりする際は非常に便利だ。

さらに、モバイル端末との親和性が高い点も見逃せない。文書、プレゼンテーション、スプレッドシートで作成したデータはiPadでも共有が可能なため、端末自体にデータを保存しなくて済むのはセキュリティの観点からも重要なポイントと言える。

そのほか、承認や捺印要素を盛り込むことによって1つのファイルでワークフロー風の使い方ができたり、有料版の「Google Apps for Business」では多彩なテンプレートが用意されていたりするのも魅力だろう。

このように、Googleドキュメントは使いこなすほどに利便性が増す素晴らしいツール群だ。文書、プレゼンテーション、スプレッドシート、フォーム、図形描画ともにファイルの作成・編集・管理はすべて統合されたインタフェースから行うことが可能。それぞれのツールが連携しているのはもちろん、Google Appsに含まれている「Googleサイト」で社内ポータルを構築すれば、Googleドキュメントで作成したファイルを見やすい形で公開・情報共有できる点も、ビジネスの効率化に大きく役立つ。

Googleドキュメントのファイルを「Googleサイト」で構築した社内ポータルに反映すれば、簡単に情報共有が行える

今回はGoogleドキュメントの基礎について解説したが、いよいよ次回からは実践編に入る。まずは、基本画面の機能や使い方、「マイ コレクション」の活用方法などを紹介していこう。

参考になるWebサイト


Google ドキュメントのテンプレート集
http://www.sateraito.jp/Google_Docs_Spreadsheets.html

 

Google ドキュメントの使い方テクニック
 http://www.sateraito.jp/google_apps_learning.html