Webサイトのインテグレーションを長く手がけてきたメタフェイズは、迅速な対応を求められる業務のなかで、メールや共有ファイルサーバの使い勝手が悪いことに悩んでいた。より迅速に、快適に利用できて、なおかつコストメリットのあるものを探したとき、注目されたのがGoogle Appsだった。

検索性とレスポンスのよさを求めてGoogle Appsを選択

メタフェイズはWebサイトのインテグレーションを手がける企業だ。2001年の設立以来、旅行やエステといったB to Cサービスを提供するメーカーのサイトや、ECサイトの構築を手がけてきた。

2005年からは、中国向けにビジネスを展開するグローバル企業のサイト構築のために上海にもオフィスを開設するなど、時代の要求に対応してきたメタフェイズは、現在自社サービス提供に注力しはじめている。3年後にはWebサイト制作との比率を半々にする意向だ。

そうした成長の渦中にいる企業として、従来の自社でメールサーバやファイルサーバを管理している状態に問題を感じたのは2010年頃だったという。

メタフェイズ 取締役 折本裕司氏

「リーマンショック後、コスト意識が非常に高くなっていたという理由もあります。自社運用には手間もかかりますし、もっと安くできるはずだということでリプレースの検討を始めたわけですが、そのなかで検索性が低くアクセスがしづらいファイルサーバがいくつもある状態を改善し、データの所在を一本化する必要も感じました」と語るのは、メタフェイズ 取締役の折本氏だ。

アクセスがしやすく検索性の高いものということでクラウド型のサービスを検討し、すぐにGoogle Appsが候補に挙がったという。

「当時はGoogle Appsを導入したという話が増えていましたし、統合的なクラウドサービスというものがまだ少ない時代でした」と折本氏。その後、実際の動きを確認するためのデモンストレーションを担当したのがサテライトオフィスだった。

「検索性の高さやレスポンスの速さが印象的でした。業務ではメールを多用しており、多い人は1日に50~100通をやりとりしています。これなら十分に使えると感じました」と折本氏は語る。

Webの技術を持つ若いスタッフはGoogle Appsを自然に使いこなす

「移行が大変だということは予想していましたが、わかりやすく検索性の高いインターフェースの採用が優先されました。」と折本氏。実際に移行した後は、現場からの抵抗は特になかったようだ。現場のスタッフは比較的若く、Web系の知識に通じている人が多いため、直感的に操作を理解していったらしい。

「メンバーは自然に使ってくれますし、特に説明なども必要なくスムーズに利用できています」と折本氏は導入後、Google Appsが現場できちんと受け入れられていることについて語った。

Googleサイトで社内ポータルを構築し管理負荷を低減

現在はメールとスケジュール、Googleドライブを利用した文書管理、Googleサイトで構築した社内ポータルなどを業務で活用している。このうち、社内ポータルに関してはGoogle Appsを導入した後で初めて構築されたものだ。

「評価制度や決算報告の社内資料、有給届けなどの申請書類を掲載しています。以前は必要があればメールで一斉連絡をするというくらいで、各種申請書類のフォーマットもきちんと統一されておらず、自己流のものが使われてしまうこともありました。ここを見ればわかるという状態になったことでフォーマットが統一されて管理コストが下がりましたし、質問されることも減りました」と折本氏は語る。

豊富なアドオンを研究してさらに利便性向上を狙う

今のところ比較的シンプルな形で利用しているが、今後はアドオンの研究もしてより便利に使って行きたいとしている。「今後はワークフローなどを導入していきたいですね。また、 ゆくゆくは業務管理のすべてをGoogle Appsで行えるようにしたいです」と折本氏。

「スタンダードな使い方なら誰でも簡単に使えるのがGoogle Appsのよいところです。運用面ではサテライトオフィスを頼りにしています。問い合わせると親身に対応してくれますし、手厚いという印象です。料金も安価ですし、まだうまく利用できていませんがアドオンが豊富なのも魅力的ですね」と折本氏は語った。