Gmailですべてのメールを管理しよう

これまでは、『Google Apps』で提供されているオンラインアプリケーションについて、基礎中の基礎となる使い方を見てきた。ここからは、少し応用的な使い方を紹介していこう。

今回取り上げるのは「Gmail」。Gmailでは、他のアカウントのメールをPOP受信したり、他のメールアドレスを使ってメールを送信することが可能だ。しかも、「Google Apps Premier Edition」では、25GBのメールボックスが利用できる。そのため、他のメールアドレスのメールをGmailで送受信したり、保存していても、容量の心配をする必要はほとんどない。メールアドレスを複数使っている場合、すべてひとつのGmailアカウントに集約すれば、メールの管理に使っている時間を大幅に削減することができるだろう。そこで今回は、他のアカウントのメールをGmailで送受信する方法を見ていこう(図1)。

図1 今回は「Gmail」で他のアカウントのメールを送受信する方法を紹介する

他のアカウントのメールをPOP受信

まず、他のメールアドレス宛のメールをPOP受信する方法を見ていこう。Gmailの設定画面を開いたら、<アカウント>タブを選択する(図2)。次に、「別のアカウントからメールを受信」の右側にある「メールアカウントを追加」をクリックしよう(図3)。図4のようなポップアップウィンドウが表示されるので、受信したいメールアドレスを入力して<次のステップ>ボタンをクリックする。

図2 Gmailの設定画面で<アカウント>タブを選択する

図3 「別のアカウントからメールを受信」の右側にある「メールアカウントを追加」をクリック

図4 POP受信したいメールアドレスを入力して<次のステップ>ボタンをクリック

続いて表示される画面では、アカウントやパスワード、POPサーバーを入力する(図5)。その下にあるチェックボックスで詳細を選択したら、<アカウントを追加>ボタンをクリックしよう。認証が行われると、図6のような画面が表示され、POP受信を設定したメールアドレスをそのまま送信用アドレスとして設定できる。「はい」にチェックを入れて、<次のステップ>ボタンをクリックしよう。

図5 アカウント、パスワード、POPサーバーを入力して<アカウントを追加>ボタンをクリック

図6 設定したメールアドレスでGmailからメールを送信できる。このまま設定を進めよう

次に、送信者としてメールに表示される名前を設定して、<次のステップ>ボタンをクリックする(図7)。すると、メールアドレスの所有者であることを確認するメールを送信する画面になるので、<確認メールの送信>ボタンをクリックしよう(図8)。続いて、図9のような画面が表示される。2つの確認方法があり、確認コードを入力することでも確認可能だが、ここではメールに記載されたリンクをクリックして確認してみよう。

図7 名前を確認して<次のステップ>ボタンをクリック

図8 <確認メールの送信>ボタンをクリックしてメールを送信する

図9 メールに記載されたリンクをクリックする場合は、ウィンドウを閉じてしまって良い

ポップアップウィンドウを閉じたらGmailの受信トレイを表示する。すると、確認メールがPOP受信されているのでこれを開き、メールに記載されているリンクをクリックしよう(図10)。新しいウィンドウまたはタブに図11のようなページが表示され、メールアドレスの確認が完了する。

図10 POP受信を設定しているので、確認メールはGmailで閲覧できる。記載されたリンクをクリックしよう

図11 所有者の確認が完了すると、このようなページが表示される

Gmailの設定画面を開き、<アカウント>タブを選択すると、設定したメールアドレスを用いてGmailで送受信できるようになったことが分かる(図12)。メールの作成画面を開くと、「From」の箇所で送信用メールアドレスを選択できるようになっている(図13)。

図12 Gmailの設定画面の<アカウント>タブでは、追加したメールアドレスが表示されている

図13 メールを作成する際には、プルダウンメニューで送信用メールアドレスを選択できる

以上の手順で最大5個のアカウントのメールをGmailでPOP受信することが可能だ。なお、他のメールアドレスを用いてGmailからメール送信した場合にも、メールのヘッダーを表示すれば、Gmailのアドレスが記述されているということは知っておこう(図14)。

図14 他のメールアドレスを使ってメールを送信した場合でも、ヘッダーにはGmailのアドレスが記述されることは知っておこう

送信用アドレスの設定のみ行う場合

Gmailに集約したいと考えているメールアドレスの中には、すでにメールサーバー側でGmailへの転送を設定しているものがあるかもしれない。また、メールソフトで受信しているため、GmailでPOP受信したくないという場合もあるだろう。そんな場合には、送信用メールアドレスとしての設定だけを行うことも可能だ。

Gmailの設定画面を開き、<アカウント>タブを選択したら、一番上の「名前」の右側にある「メールアドレスを追加」をクリックする(図15)。ポップアップウィンドウが表示されるので、メールアドレスを入力して<次のステップ>ボタンをクリックする(図16)。次の画面では<確認メールの送信>ボタンをクリックしよう(図17)。すると、図18のような確認画面になる。ここでは、送信された確認メールに記載されている確認コードを入力して<確認>ボタンをクリックする。確認が完了すれば、設定したメールアドレスを送信用アドレスとして選択できる(図19)。

図15 送信用のメールアドレスだけを追加する場合は、「名前」の右側にある「メールアドレスを追加」をクリック

図16 名前とメールアドレスを入力して<次のステップ>ボタンをクリック

図17 <確認メールの送信>ボタンをクリックしよう

図18 確認コードを入力する方法でも所有者の確認が可能

図19 追加したメールアドレスを使ってメールを送信できる

他のGmailアカウントのメールを転送する

Google AppsのGmailアカウントを2つ以上管理している人も多いだろう。例えば、自分のアカウント以外に「info@」や「support@」といったアカウントを管理している場合だ。2つのアドレスによるメールの送受信を1つのアカウントで行う場合には、どのような方法が考えられるか。

頻繁に使う自分のGmailアカウントを「アドレスA」、たまに使うアカウントを「アドレスB」とすると、まず考えられるのは、アドレスBのメールをアドレスAでPOP受信する方法だ。これは、本稿の最初で紹介した方法で設定を行えばよい(図20)。しかし、GmailのアカウントやPOPサーバーの入力を面倒に感じる人もいるかもしれない。

図20 Gmailのアカウントが2つある場合に、メインアカウントでサブアカウントのメールをPOP受信するのも1つの方法

そんな場合は、アドレスBでアドレスAへの転送を設定するのが便利だ。アドレスBのアカウントでGmailの設定画面を開いたら、<メール転送とPOP/IMAP>タブを選択しよう(図21)。一番上の「転送」の部分で「受信メールをメールアドレスに転送し~」を選択して、テキストボックスに転送先のメールアドレスを入力する(図22)。

図21 サブアカウントの設定画面で<メール転送とPOP/IMAP>タブを選択する

図22 「受信メールをメールアドレスに転送し」を選択して、メインアカウントのメールアドレスを入力する

さらに、その右側のメニューで「メールのコピーをアーカイブ」を選択して<変更を保存>ボタンをクリックする(図23)。「アーカイブ」を選択したことによって、転送されたメールがGmailの受信トレイに残らないため(「すべてのメール」で閲覧することは可能)、ひさしぶりにログインした際に「未読メールがいっぱい」という状況を避けられる。なお、続いてアドレスAの設定画面からアドレスBを送信用アドレスとして使えるように設定すれば、1つのアカウントで2つのアカウントの送受信が可能になる。

図23 「メールのコピーをアーカイブ」を選択して、<変更を保存>ボタンをクリック。これでサブアカウント宛のメールがメインアカウントに転送される

著者プロフィール・小山文彦

株式会社ゴーガ代表取締役。ウェブ技術とデータ分析を切り口に、多様な企業向けサービスを展開。クラウドとガジェットを生かしたGoogle Appsの潜在的な可能性に注目し、SaaSプラットフォームの最右翼と期待する。Google Apps Authorized Resellerとして、啓蒙活動と関連ソフトウェア開発に力を入れている。