外科医であり、母であり、漫画家でもあるさーたりさんが、ドクターとしての日常を描きながら健康に役立つ情報などをお届けする4コマ漫画連載「オペ室より愛をこめて」。今回は前回に引き続き、直腸異物にまつわるお話です。
実はとても怖い疾患なので要注意
前回、直腸異物(厳密には経肛門直腸異物)について簡単にお話しましたが、今回はもう少し外科的なお話をしましょう。
異物はまず、麻酔のゼリーなどを使いつつ肛門を広げて取り出すのが通例です。それが困難な場合は、オペ室でもう少し本格的な施術を。麻酔をかけると肛門括約筋も緩むので、取り出しやすくなります。それでもだめなら開腹手術、もし腸管に穴が開いていたら最悪人工肛門になるという、笑いごとじゃすまない疾患なのです。相応のリスクが伴うので、皆さんくれぐれも注意してください。
一時たて続けに直腸異物を診察したときには、「もしや病院で診察されるのも楽しみの一つなのか…? 」などと変に勘ぐってしまいましたが、そんな患者さんたちもいざ入院、手術となると「病名を変えてください!! 」とおっしゃいます。ズバリ無理です。ですから皆さんくれぐれも注意してください(大事なことなので2度言いました)。
筆者プロフィール: さーたり
某大学病院勤務の消化器外科医。2児の母の生活、外科医の日常、漫画・アニメへの溢れる愛を描き散らしたブログ「腐女医が行く!!~外科医でママで、こっそりオタク~」を絶賛随時更新中。