前回は、作成したPDFフォームを、FormsCentralを使って配布して回収するまでの一通りの手順を説明しました。今回は、FormsCentralでの回収データの操作について説明します。

回収データの編集

回収したデータに誤りや変更があったことがわかった場合、FormsCentralの[返答を表示]タブで表示したリストのデータを編集できます。

Excelと同様に、編集するセルをクリックして選択して内容を変更してください。

ラジオボタンのような選択式のフォームは、セルの右側に表示された▼をクリックすると、フォームと同じ選択肢が表示されます。

[返答を表示]タブで表示した、回収したデータの表は、Excelと同様にセルを選択した内容を編集できる

集計レポートの表示

[集計レポート]タブを表示すると、PDFフォームの各項目ごとのデータを集計したグラフが表示されます。アンケートをPDFフォームで配布した場合などに便利です。

申込書などの場合、記入漏れのチェックにも利用できます。

[集計レポート]タブでは、各項目ごとのデータを集計したグラフが表示される

回収データをExcelデータとして保存

回収したデータは、FormsCentralでもリスト表示したり集計グラフを表示できますが、データを集計したり加工して使用するにはExcelを使う方がやりやすい読者も多いでしょう。

FormsCentralの[返答を表示]タブでは、回収時点のデータをExcel形式(またはCSV形式)でローカルPCに保存できます。

[返答を表示]タブを表示し(1)[Excel形式で保存]をクリックします(2)。「返答を保存」ウィンドウが表示されるので、[ファイルタイプ]で「Microsoft Excel(.xls)」を選択します(3)。

[すべてのセルを書き出し]を選択し(4)、[OK]をクリックします(5)。

[返答を表示]タブを表示し(1)[Excel形式で保存]をクリック(2)。「返答を保存」ウィンドウの[ファイルタイプ]で「Microsoft Excel(.xls)」を選択し(3)、[すべてのセルを書き出し]を選択して(4)、[OK]をクリック(5)

[返答を保存]ウィンドウが表示されるので、[OK]をクリックします。

[OK]をクリック

Excelファイルの保存先を選択して保存します。

保存先を選択して保存

保存したファイルをExcelで表示してみましょう。PDFフォームの各フォームのデータと、フォームの送信日時が各セルに保存された状態で表示されます。

回収したPDFフォームのデータをExcelで扱える

フォームの回収を中止する

PDFフォームに回収期限や申込期日を設けている場合、FormsCentralで回収を中止できます。

[配布]タブを表示し、「フォームの状態」で[クローズ]をクリックします。これで、返答者がPDFフォームから送信しても、FormsCentralはデータを受け付けません。

[配布]タブで「フォームの状態」で[クローズ]にすると、返答を受け付けなくなる

PDFフォームの返答者には、送信できない旨のメッセージが表示されます。このメッセージは、[オプション]タブの[クローズメッセージ]で設定した文言となります。

クローズされた状態で返答すると、受付していない旨の「クローズメッセージ」が表示される

FormsCentralの回収状態をシェアする

FormsCentralで回収した返答の状況は、Webブラウザで表示できるように設定できます。返答状況の報告が必要なときでも、集計データをメールで送信する必要もなく、最新の状況をシェアできます。

FormsCentralの左下に表示された[共有]ボタンをクリックし(1)、表示されたポップアップから[返答を公開]をクリックします(2)。

[共有]ボタンをクリックし(1)、表示されたポップアップから[返答を公開]をクリック(2)

公開ウィンドウが表示されるので、公開するテーブルを選択します(1)。「返答テーブル」は[返答を表示]タブで表示されるリストです。「集計テーブル」は[集計レポート]で表示されるグラフです。PDFフォームの内容によって必要なものを選択してください。選択したら[公開]をクリックします(2)。

公開するテーブルを選択し(1)[公開]をクリック(2)

シェア用のURLを送信する

公開すると、画面下部に「公開済み」と表示されます。公開直後は、ここをクリックしてポップアップされた状態が表示されます。

公開すると、画面下部に「公開済み」と表示される

「公開済み」の部分をクリックするとポップアップが表示されるので「リンクをコピー」をクリックします。これで、公開したデータを表示するためのURLがクリップボードにコピーされます。

返答データをシェアするユーザーに、電子メールなどでコピーしたURLをペーストして送信してください。

「公開済み」の部分をクリックするとポップアップが表示されるので「リンクをコピー」をクリック

Webブラウザで表示する

コピーしたURLをWebブラウザで表示すると、FormsCentralで公開した[返答を表示]タブまたは[集計レポート]タブだけが表示されます。

画面はFormsCentralそのものですが、サインインは必要ありません。セルの修正はできませんが、Excel形式で保存することはできます。

Webブラウザで表示した、返答データ。データの修正はできないが、Excel形式での保存は可能

無償サービスの制限

2回にわたり、FormsCentralを使ったPDFフォームの配布と回収の概要を説明してきました。

FormsCentralは、Adobeの提供する有償のクラウドサービスなので、Acrobatユーザーが利用できるサービスには制限があります。

たとえば

  • 扱えるフォームが1つに限定
  • 返答の最大数が50件まで

などです。

無償サービスの範囲内でも、FormsCentralの概要はわかると思います。実際に使ってみてください。有償サービスもリーズナブルな金額で利用できるので、PDFフォームの配布と回収の効率化を図るにはよいソリューションだと思います。

なお、無償サービスでも、作成したフォームを削除すれば、また新しいPDFフォームを登録して配布できます。

フォームを削除するには左上の[FORMSCENTRAL]をクリックし(1)、[マイフォーム]タブをクリックします(2)。作成済みのフォームを選択して[削除]をクリックします(3)。

[FORMSCENTRAL]をクリックし(1)、[マイフォーム]タブをクリック(2)。作成済みのフォームを選択して[削除]をクリック(3)