今回のテーマは「お金持ちがお金持ち自慢をしない理由」です。
「成金」と聞くと、思い出す絵があります。暗がりで「暗くてお靴がわからないわ」と困っている着物姿の女性に対し、恰幅の良い男性が火のついた百円札をかざし「どうだ明るくなったろう」と語りかけている風刺画です。歴史の教科書で見たことのある方も多いでしょう。
実際のお金持ちですが、あそこまでザ・成金な方はあまりいらっしゃいません。本当にお金を持っていらっしゃる方は、むしろお金がない“ふり”までなさいます。
さっそく解説します。
本当にお金を持っている方は年収の話をしない
日本では、金融資産の合計金額からローン等の負債を差し引いた金額「純金融資産保有額」が1億円以上の世帯を「お金持ち」と定義するそうです。お金持ちは年収よりも資産を重視するのだとか。「だからお金持ちは年収の話をしないのか」と、納得しました。
かといって、どこそこの株をウン万株も持っている! みたいなお話も聞いたことがありません。私の職場が「銀座のクラブ」という特殊な場であることも理由のひとつかもしれませんね。だってお金持ちアピールなんてしたら
「じゃあ今日はもう1本シャンパン飲んじゃおっか」
なんてことになりかねない。
なにはともあれ、年収や身に着けている時計の金額、住んでいるマンションの話をしていらっしゃる方で、キレイな飲み方をしていらっしゃる方を見たことがないです。
お金持ちが自慢話をしない理由(1):防犯
お客様に「どうしてお金を持っていらっしゃる方は自慢話をしないのですか? 」と聞いてみたことがあります。すると彼は「防犯のため」と即答しました。
近頃は闇バイトグループによる強盗被害が多発していますから、お金持ちアピールをしない理由が「防犯」なのは頷けます。
また、高齢の富裕層を狙った詐欺も横行しています。
お金持ち自慢をすることでこういった犯罪に巻き込まれることは想像に難くないですし、犯罪に巻き込まれないとしても「お金を貸してくれ」と無心されたり、「良い投資話があるんだけど……」と、マルチ商法の勧誘を受けるなど、うんざりするようなことはあるかもしれません。
いずれにせよ「お金持ち自慢」で満たされる多少の自尊心よりも、失うものの方が大きいことだけは確かです。
お金持ちが自慢話をしない理由(2):同性の嫉妬ほど怖いものはない
同性の嫉妬ほど怖いものはないです。男性だってときには男性を蹴落として勝ち上がっていかなくてはならないのですから。おじさん同士はいつだってライバル関係なのが当たり前です。
だったら嫉妬され、対立するよりも、懐柔して味方にしてしまう方がコストが低い。
よって、お金持ちは自慢話をしません。
自ら進んで自慢話はしませんが「最近何買ったの?」と聞くと「ランボルギーニのうんたらかんたらを2台」など、とんでもないことを教えてくれるので椅子から落ちそうになります。
お金持ちが自慢話をしない理由(3):事業や社会貢献を評価されたい
お金持ちの中には、資産そのものよりも、自身が関わっている事業や、それにより社会がいかに豊かになりつつあるのか、などについて評価されたいと考えている方も少なくありません。
お仕事の話を熱心に聞かせてくれる方はたくさんいらっしゃいます。
とある男性は
「人がやりたがらないことを進んで行うのが(成功への)1番の近道だよ」
と、言って笑っていました。このお仕事をしていると“カッコいいおっさん”の背中をたくさん見せてもらえます。
――お金持ちと小金持ちの“差”とは