シーメンスPLMソフトウェアは13日、複雑な機械構造の効率化を可能にする新ソリューションを発表した。

このたび発表された「先進的な生産・工作機械エンジニアリング(Advanced Machine Engineering)」ソリューションは、製品がますます複雑化する一方で、市場投入期間をさらに短縮したいという今日の生産・工作機械メーカーの課題を解決するもの。製品開発プロセスを通して、機械、電気、ソフトウェアの設計データを連携させ、完全なデジタル・プロトタイプ、すなわちデジタル・ツインにアクセスして、バーチャルにテストできるプラットフォームを提供する。このようなエンジニアリング・プラットフォームを構築することで、コラボレーションの強化、開発期間の短縮、納期遅延やコストの削減を可能にし、導入時の顧客満足度を実現するとしている。

また、モジュール式の製品開発アプローチを採用することで、製品群の中で共通する部品とプロセスを規定し、その上で顧客ごとの特別な要求や、それにより影響する変更に応じられるよう容易に修正できる機能モジュールを定義する。また、高度な複合領域手法を採用しているため、連続した一つひとつの開発プロセスからコカレント・プロセスへと移行して、製品要件を効果的に管理し、顧客の期待以上の成果を上げることができるという。

さらに、製品開発とグローバルなサプライチェーン管理をコンカレントに実行することで、組立品質を最初から向上させ、開発期間の短縮、部品在庫の削減、機械の多様な機能の統合を可能にする。機械、電気、ソフトウェアの設計を同時並行で進めるための共通フレームワークを提供して、メカトロニクス設計を可能にする。各分野に共通する言語、デジタル・スレッドを構築し、製品開発のまさに初期段階からパラレルなコラボレーションを推進し、既存の設計の再利用率を向上させるということだ。

また、開発製品の完全なデジタル・ツインを使用すれば、物理プロトタイプの作成点数とそれに伴うコストを大幅に削減できるうえ、設計からテスト、試運転にもその活用範囲を広げることができる。デジタル・エンタープライズを実現するシーメンスのエンド・ツー・エンド・ソリューションのパワーを活用すれば、設計コンセプトを迅速に作成して、例えば重力、摩擦、電気系統や流体、空気圧の性能など可変性における影響をシミュレーションできる。

こうしたデジタル・ツインをバーチャル・コミッショニングに活用すれば、製品を実製造する前にテストができる効率的な製品開発サイクルを構築できる。また、この製品開発サイクルの初期段階で問題を特定することで、コスト高につながる作業着手の遅延やプロセスの後期における遅延を回避可能だとしている。