リペア・ツールを提供する米iFixitが、3日に発表されたばかりのAppleの新スマートフォン「iPhone X」の分解レポートを公開した。iPhoneの刷新となる新機種は、外観だけではなく中身も大きく変わっており、発表以来の謎となっていた筐体サイズと搭載機能・性能に対して長いバッテリー駆動時間の不思議をiFixitが解明している。

11月3日に発売開始になった「iPhone X」

iPhone Xは「iPhone 8 Plus」よりも大きい5.8インチのディスプレイを搭載、各種センサーを組み合わせたFace ID機能を備える。本体サイズは143.6×70.9×7.7ミリ (重量174グラム)と、iPhone 8 Plus (158.4×78.1×7.5ミリ、202グラム)よりも軽量コンパクトでありながら、ほぼ同じバッテリー駆動時間を実現している。

詳細についてはiFixitのレポートを見ていただくとして、概要を紹介すると、ポイントは2つ。「超小型のロジックボード」と「2つに分けられたバッテリー」だ。

長いバッテリー駆動時間を可能にしているのは大容量バッテリーである。iPhone 8 Plusのバッテリーは10.28Wh。それ以上に大きな10.35Wh (2716mAh at 3.81V) のバッテリーを搭載している。それほど大きなバッテリーをコンパクトな筐体に内蔵させるために、超小型のロジックボードを採用して、バッテリーに広いスペースを割り当てている。

ロジックボードのサイズは、iPhone 8 Plusのロジックボードの約70%程度。2枚のボードを積み重ねたデザインは従来のiPhoneのロジックボードと同じだが、コネクタとパーツが高密集しており、Apple Watchのロジックボードよりもすき間がない。

カメラやLightningポートなど配置位置が優先されるパーツを組み込んだ後のスペースにバッテリーをはめ込むことになるが、バッテリーを1つではなく形が異なる2つに分けることで、残りスペースを余すところなく埋めて大容量バッテリーを搭載している。

高密度なiPhone Xだが、交換になる可能性の高いディスプレイとバッテリーにアクセスしやすい設計になっており、iFixitはリペアビリティスコアを「6」(最高10ポイント)としている。