英Armは、Mbed Cloudのデバイス管理機能を拡充する「Mbed Edge」の提供開始により、新たにIoTゲートウェイを利用したデバイスのオンボード、制御、管理に対応したことを発表した。

ゲートウェイは、ローカルで接続されたデバイスとクラウドをつないだり、ローカルのデバイスを制御するアプリケーションを実行したりと、IoTネットワークで重要な役割を果たしている。もしゲートウェイに障害が発生すると、生産ラインや風力発電所が停止するなど、ローカルのオペレーションに壊滅的な影響が及ぶケースが考えられる。

今回、Mbed Edgeが追加する新機能により、Mbed Cloudは今後、インターネット・プロトコル(IP)と従来型ネットワーク機器の接続・管理、ゲートウェイの管理・診断、エッジコンピューティングという3つの新たな機能セットを提供する。

従来型デバイスの多くは、IPと互換性のない通信プロトコルを用いて接続されるが、Mbed Edgeは「プロトコル変換機能」により、これらのプロトコルをIPに変換するため、非IPデバイスもMbed Cloudに接続でき、他のIP接続デバイスとともに管理できる。

また、Mbed Edgeが新たに提供する「ゲートウェイ管理」機能は、IoTゲートウェイの回復力を高め、コストを伴うダウンタイムを最小限に抑えるとしている。主な機能として、アラーム通知、プロセス管理、リソース管理、インターフェイス管理のほか、詳細な診断機能がある。

さらに、「エッジコンピューティング機能」により、Mbed Edgeのローカル・アプリケーション実行環境と演算リソースにより、ルールやデータをゲートウェイ上で直接処理できる。これにより、クラウドへの接続が停止した時には、ゲートウェイが独立したアクションを取り、生産性に影響を及ぼすダウンタイムを最小限に抑えられるということだ。

なお、ArmのIoTサービス・グループ Webサービス部門ジェネラル・マネージャーであるHima Mukkamala氏は、「当社はパートナーやお客様に対して、あらゆるIoTエッジ・デバイスの簡単、セキュアかつシームレスな管理を実現するというミッションを今後も継続していきます」と述べている。