米Adobeは10月19日(現地時間)、ラスベガスで開催中のカンファレンス「Adobe MAX」において、同社のアプリケーションが月額料金で利用できる「Adobe Creative Cloud」のアップデートを発表した。CCデスクトップアプリのアップデートは、登録メンバーは同日から無償ダウンロードが可能だ。

新しいアプリケーションとサービスを加えるほか、Photoshop CC、Illustrator CC、InDesign CC、Premiere Pro CCといった主要アプリケーションでは全体的なパフォーマンス向上や新機能も実装。ロイヤリティフリー素材サービスの「Adobe Stock」も大幅なサービス拡張を図る。

また、今回のCreative Cloudのアップデートにあたっては、人工知能と機械学習のプラットフォームである「Adobe Sensei」を活用。アプリケーションやサービスのシステム全体にAI機能を組み込み、クリエイターが制作に要する時間の大幅な短縮を実現している。

新たに追加された主なアプリケーションは、「Adobe XD CC」「Adobe Dimension CC」「Character Animator CC」の3つ。さらに写真サービス「Adobe Photoshop Lightroom CC(以下、Lightroom CC)」もクラウドベースに刷新して提供する。

Adobe XD CCは、モバイルアプリやWebサイトのデザインと、プロトタイピングのためのクロスプラットフォームソリューション。

Adobe Dimension CCは、「Project Felix」をベースに開発したツールで、2Dと3Dの合成によって写真のようなリアルな3D画像が素早く作れる。

Character Animator CCは、顔認識で2Dのアニメーションを自動生成する。Adobe Senseiを活用することで、口の動きと音声を正確に同期するリップシンク機能の性能が向上している。

Lightroom CCは、写真の編集・整理・補完・共有が可能な写真サービスで、新たにユーザーインタフェースを見直してクラウドに対応。デバイス間でのデータの同期や自動タグ付けなどが可能になった。Lightroom CCの概要は別記事を参照してほしい。

Adobe Stockでは、Premiere CCやAfter Effects CCのビデオユーザー向けに、モーショングラフィックステンプレートを提供する。

料金プランも、新たに追加と内容見直しが図られる。

追加となる「Creative Cloud フォトプラン(1TBストレージ付)」は、Lightroom CCのサービスとPhotoshopの機能をオールインワンで利用可能な内容(Lightroom CC、モバイル版およびWeb版Lightroom、Photoshop CC、プレミアム機能付きのAdobe Spark、Adobe Portfolioと1TBのクラウドストレージを含む)。価格は月額1,980円(税別)で、既に「Creative Cloud フォトプラン」を利用中のユーザーの場合は、初年度のみ月額1,480円(税別)の特別価格で提供する。

既存の「Creative Cloud フォトプラン」は内容が見直され、Lightroom CCを含んでストレージ容量が20GBに増量となる。価格は現行同様の月額980円(税別)。構成はLightroom CC、モバイル版およびWeb版Lightroom、Lightroom Classic CC、Photoshop CC、プレミアム機能付きAdobe Spark、Adobe Portfolioと20GBのクラウドストレージとなる。

新プランの「Lightroom CCプラン」は、Lightroom CCを利用するユーザー向けで、Lightroom CC、モバイル版およびWeb版Lightroom、プレミアム機能付きのAdobe Spark、Adobe Portfolioと1TBのクラウドストレージを含む。価格は月額980円(税別)。

また、Lightroom CCは従来の「Creative Cloud コンプリートプラン」にも追加され、年間プランで100GBのストレージが利用可能となる。

各購入プランには、個人、学生、チーム、教育機関、官公庁、エンタープライズ向けが用意されている。