中国を拠点として自転車のシェアリングサービス「Mobike」を展開するモバイクは、同社サービスで利用する新世代自転車モデル、およびプロダクトデザイナー・深澤直人氏がデザインした自転車のコンセプトモデルを北京で発表した。
Mobikeは現在180都市で利用されている中国発のレンタルサイクル。大きな特徴は、返却する駐輪場の指定が無く、目的地での乗り捨てが可能な点。利用時は専用アプリで近隣にある自転車を探し、解錠は自転車のQRコードのスキャンで行う利便性によって広がりを見せている。国ごとの事情にアジャストした運営を行っており、日本では乗り捨てではなく、企業・自治体と連携した駐輪場を設置する。
今回発表されたモデルは、初代の「Classic Mobike」、第2世代の「Mobike Lite」、2017年4月に発売された第3世代のモデルに続く第4弾モデル。同社は自社でサイクルの開発を一貫して行っており、最新モデルでは安全性と耐久性を確保しながら、重量を減らすためにすべての要素が再設計され、フレームの耐久性は欧州基準よりも50%強力に、重量は15.5kgとなったという。
また、ユーザーが速いテンポで自転車を漕ぐと、自動的にそれに適した2番目のギアにシフトする「自動変速システム」も組み込まれ、自動車グレードのシャーシアラインメントを使用した。内部チェーントランスミッション(内部変速機)を備えており、チェーンが外れたり、パンツやスカートの裾にチェーンがぶつかる心配がない。
そのほか、ダウケミカルと共同開発した、低抵抗ソリッドタイヤを使用。して道路抵抗を27%低減。人間工学に基づいてフレームとハンドルバーを再設計し、異なる高さにマーキングが付いた調節可能なシートによって、ユーザーに適した状態での運転を可能にした。
深澤直人デザインのコンセプトモデルを同時発表
最新モデルの発表と同時に、コンセプトバイクも公開された。国内では無印良品のCDプレイヤーに代表される商品開発などで知られるプロダクトデザイナー・深澤直人氏がデザインした金属製フレームが採用されている。現行モデルは同社のキーカラーであるオレンジ色だが、深澤氏のコンセプトモデルではホワイトが選択された。
深澤氏は、「コンセプトバイクには魅力的なスタイルとは別に、”無意識のデザイン”が込められています。ユーザーは複雑な指示を必要とせず、その代わりに直感的に使用することができます。このアプローチは、スマートバイクを芸術のレベルに上げながら、シンプルさとシームレスなユーザーエクスペリエンスというモバイクの原則に準拠しています」と、コンセプトバイクにおけるデザイン哲学を語った。