NXP Semiconductorsは、車載、運輸、産業アプリケーションにおけるADASビジョンやニューラル・ネットワーク・ソリューションの普及・促進を図ることを目的に、無償のIDE統合開発環境「S32 Design Studio」とともに「S32Vプロセッサ」の提供を開始したと発表した。

自動運転車は変化する環境や悪条件への対応が必要なことから、ニューラル・ネットワークと機械学習の対応が自動運転車の実現に向けた重要な要素とされている。S32Vは、Cortex-A53クワッドコア(1GHz)のほか、同社の第2世代APEX-2ビジョン・アクセラレータを使用したセーフティ・フュージョンと高性能プロセッシングの融合により、自動運転車の開発ニーズに対応した車載プロセッサで、従来のGPUベース・ソリューションに比べ高速かつ低消費電力で画像データを処理する128パラレル・コンピューテーショナル・ベクトル・ユニットを備えたデュアルAPEX-2エンジンを搭載している。また、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズム向けAPEX-CVライブラリを使用することで、APEX-2エンジン向けのプログラム開発を容易化したほか、Vision SDKには、開発をシンプルにするためのCanny、ORB、Harris、HOG、Gaussian、Houghや他の検知アルゴリズムなどのAPEX-CVベースレベル/ APEX-CVプロ・ライブラリ・アルゴリズムが統合されているという。

なお、S32Vのサンプル出荷はすでに開始されており、開発プラットフォーム「SBC-S32V234」、デバッグとコンパイルのための無償のIDE「S32 Design Studio」、統合ビジョン・ソフトウェア開発キット、車線逸脱警告、歩行者検知、機械学習と対象物分類のための畳み込みニューラル・ネットワーク向けコード・サンプルなどの提供も開始されているという。

S32Vを用いた画像処理のイメージ