東芝情報システムは9月20日、Firewallの内側にある組込み機器をクラウド上から、安全でリアルタイムに操作することができるIoT接続基盤ソフトウェアをパッケージ化した「NetNucleus Cloud Hub」を発売した。

「NetNucleus Cloud Hub」のイメージ

IoTの普及に伴い、OA機器や計測機器、家電などを遠隔地からリアルタイムに操作し、メンテナンスをしたいというニーズが高まっている。通常、企業や家庭のネットワークはFirewallで守られており、リアルタイムな遠隔操作を実現するには、一般的に Firewallの設定変更、専用回線やゲートウェイの設置といった対処を行うが、安全性とコストの両立という課題を抱えていた。また、機器を数多くクラウドに接続すると、接続数の増加に応じてデバイスの通信費が増大し、サーバ増強が必要になるなど、コストが膨らむという問題がある。

同製品はWebSocketを応用した製品で、Firewallの設定を変更する必要がなく、既設のインターネット回線を利用して導入できるため、安全で低コストに、遠隔地から企業内や家庭内の機器をリアルタイムに操作できる。さらに、通信にはTLSI(Transport Layer Security)を用いており、強固なセキュリティも実現するという。

例えば、1台当たり月額200円の格安SIMカードを用いて1万台の機器操作を実現すると、単純計算で年間2千万円超の通信コストが発生する。一方、同製品は既設のインターネット回線を利用するため、追加の通信コストは発生しない。また、大量の機器を接続しサーバの応答性を低下させずに運用するにはサーバの増強も必要となるが、同製品は独自の負荷分散技術を実装することで、エントリクラスのサーバ2台で、10万台超の同時接続を保てるため、サーバのコストを削減することができる。

なお、同社は今後、この製品を含む組込み機器に特化したIoT事業で、年間10億円の売上を目標に拡販するとしている。