ジェームズダイソン財団は、同財団が主催する国際エンジニアリングアワード、ジェームズ ダイソン アワード 2017(以下、JDA)において、国内最優秀賞作品ならびに国内審査通過作品の計5作品の決定を発表した。

国内最優秀賞 SuKnee-障害者のモビリティを高めるロボット義足

JDAは、次世代のデザインエンジニアの支援・育成を目的に毎年開催されているアワード。「問題解決のアイデア」というテーマで募集され、12回目となる今回は世界23か国にて開催された。1,000を超える作品が集まった中、国内最優秀賞は、孫小軍氏・菅井文仁氏・佐藤翔一氏3名による作品「SuKnee-障害者のモビリティを高めるロボット義足」に決定した。既存の義足は動力を持たないのが主流で、膝関節の自律的屈伸ができない為、階段の上り下りや椅子からの立ち上がりが困難であることに自らもユーザーである孫氏が不満を感じているという。同作品では、ロボット技術を活用し、独自で開発した筋肉を模倣するアクチュエータを搭載し、歩行に合わせる制御を行うことで独自動力を持たせている。受賞者の3名には、賞金2,000ポンド(約28万円)が贈られ、製品化を目指して開発が進められるということだ。

また、国内準優秀賞は、オーストラリア出身のプロダクトデザイナー、ベンバーウィック氏による「Digital Garden」に決定した。都心に多い集合住宅生活はソーラーパネルを使用する選択や動機がなく、なかなか普及しないという問題に対し、窓に取り付けが可能な折り紙工学ソーラーパネルをデザインした。そのほか、国内第3位は、寺嶋瑞仁氏、上脇優人氏、冨田青氏、パドロンファン氏による、「~Cuboard~ クローラユニットシ ステムを用いた雪上にて走行可能な小型モビリティ」で、雪国で冬の時間に気軽に移動できる手段がないという不満を解決した作品に決定した。

国内準優秀賞 DigitalGarden

国内第3位 ~Cuboard~クローラユニットシステムを用いた雪上にて走行可能な小型モビリティ

今後、上記を含む国内審査通過5作品は、参加23か国で国内審査を通過した作品群とともに第2次審査に進み、さらに選考された作品が、ダイソン創業者ジェームズ ダイソンによる国際最終審査に進む。結果は10月26日に発表予定となっており、国際最優秀賞受賞者にはトロフィーと賞金30,000ポンド(約435万円)、受賞者が在籍または卒業した教育機関に寄付金約5,000ポンド(約72.5万円)が贈られる。なお、国内受賞作品表彰式は11月頃に開催予定で、作品は全てJDAホームページで公開されているということだ。