東芝クライアントソリューションは、保守現場や工場のラインなど、さまざまな作業現場での生産性向上に貢献する高性能小型デバイス「DE100」を商品化し、エッジコンピューティングの実証実験用途等に向けて、9月下旬より発売することを発表した。

「DE100」外観(出所:ニュースリリース)

IoT時代においては、通信インフラへの負荷分散の観点からさまざまな現場におけるデータ分散処理(エッジコンピューティング)への需要が高まっている。一方、人手不足にともなう労働生産力低下が課題となり、効率的な技術・ノウハウ習得の必要性も高まりつつある。「DE100」は、こうしたニーズに応えるために、増大するデータをその場で処理し、さらに携行できることで現場での作業をスムースに行える高性能小型デバイスだ。

同社がノートPC事業で培った高密度実装技術を駆使し、本体重量がわずか約310g、サイズは約85(幅)×165mm(奥行)×20mm(高さ)のコンパクトボディを実現しながらも、CPUは第6世代インテルCoreプロセッサー、OSはWindows 10 Proを採用、無線LANやUSB Type-Cコネクタを標準搭載するなど、高い処理性能と拡張性を兼ね備えている(液晶ディスプレイやキーボードは非搭載)。

独自のBIOS技術や筐体堅牢化技術により、片手で操作できる十字キーや、起動状態やネットワーク接続状態を電源ボタンのLED色や点滅で判別できる機能を搭載するなどユーザビリティに配慮するとともに、落下試験や振動試験といった同社の評価基準に基づいたテストをクリアするなど、高い堅牢性も実現している。

保守現場での利用イメージ(出所:ニュースリリース)

また、同製品は現場での生産性向上にむけたエッジコンピューティング用デバイスとして利用可能となっている。別売のメガネ型ウェアラブルデバイスとの組み合わせることでハンズフリー環境になり、紙の資料や他のデバイスを見ながら行う作業と比べて時間の短縮が図れるほか、保守現場などでは眼前に表示されたマニュアルなどのデータを確認しながら修理したり、不測の事態に陥った際も遠隔操作で担当者との通話や画像の送受信したりして、現場でのスムースな対応が可能となる。

工場での利用イメージ(出所:ニュースリリース)

さらに、工場内のセンサーとして稼働中のライン状況や作業そのものなどを現場に近い場所でモニタ・解析することで、工程の見直しや最適な人員配置などへの素早い対応が可能となっている。

このほか、本体を液晶ディスプレイの背面に取り付けることで、デスクトップPCの省スペース化が図れるほか、Intel Uniteソリューション対応モデルでは大画面の液晶ディスプレイや液晶プロジェクター等と組み合わせることで、ケーブルレスで快適な会議運営をサポートするなど、さまざまな用途で利用できるようになっている。

オフィスでの利用イメージ(出所:ニュースリリース)