OKIエンジニアリングは8月21日、電子部品・基板の故障解析サービスの提供を開始したことを発表した。同サービスは、従来対応が困難だった、さまざまな高密度実装多層基板や最先端パッケージ部品などの端子へ正確・確実にプロービング(通電針当て)する技術の開発に成功したことで、短時間での故障部位特定と解析を実現したものだ。
近年、LSIやパワーデバイスなどの半導体部品だけでなく、BGA(ball grid array)、FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)などの半導体パッケージ、積層セラミックコンデンサやセンサなどの電子部品やモジュール、さらには高密度実装基板などさまざまな製品に対する故障解析ニーズが増えている。これらの故障解析において中心的役割を担う「ロックイン赤外線発熱解析」は、対象品にパルス電圧を印加する必要があるが、これらの中には端子への結線が困難な製品も多く、それらに対してはプロービングが必要になる。
こうした状況をうけ、OKIエンジニアリングは今回、新たに専用ユニット・治具とプロービング技術を開発し、端子への正確・確実なプロービングを実現した。
これにより、これまで、ロックイン赤外線発熱解析装置に標準装備のプローバーでは少なくとも100μm×100μmの領域が必要であったが、実体顕微鏡で観察しながら針当することにより、10μm×10μmの領域にプロービング可能となったほか、BGAなど裏面に端子(バンプ)がある場合は標準装備のプローバーではプロービングができなかったが、裏面にプロービングし、そのまま上下を反転させて解析できるようになった。さらに、高温になると不良が発生する場合があるため、200℃まで加熱できるホットチャックを作成し、高温で解析ができるようにしたほか、超小型化の進展により困難であったチップ部品の多方向からの解析に向け、部品を固定すると同時に導通がとれ、かつ回転できる治具を作成し、チップ部品を多方向から解析できるようになった。
なお、同社は同サービスの販売目標を2017年度で3,000万円としている。価格は個別見積もり。