凸版印刷と東武鉄道は7月21日、対話型AIを活用した訪日外国人向け観光案内サービスの実証実験を、同25日~8月24日まで、東武鉄道浅草駅「東武ツーリストインフォメーションセンター浅草」にて実施すると発表した。実証実験は、凸版印刷の対話型AIソリューション「AIコミュニケータ」のラインアップの1つである「AI-SAMURAI」を用いて実施する。
AIコミュニケータは、凸版印刷がこれまで培ってきた店頭での顧客接点向上に向けたソリューションのノウハウを生かすことで、インパクトのあるデザインや、親しみのあるキャラクターなど多様なインタフェースの設計が可能。
問い合わせに対してAIによる正確な回答を提供できるほか、観光案内や施設案内などさまざまな利用シーンに応じて最適なインタフェースを設計することで、集客効果が向上し、より多くの利用者と接点を持つことを可能としている。
外国人にも親しみのあるサムライのインタフェースで興味を喚起することで、顧客接点を創出できることに加え、話しかけるだけで欲しい情報が手に入り、音声だけでなく、モニタに文字や図などの情報を表示することも可能。また、今後はAIが処理できない質問が生じた場合のバックオフィスオペレーターによる遠隔対応など、ユーザーのサービスに対する不満を解消する仕組みを構築していく方針だ。
今回の実証実験は、インバウンドの増加に伴う多言語対応や将来的な案内業務の効率化・情報提供の最適化を検証するために、日本を代表する観光地で、国内外から年間約3000万人が訪れる浅草において両社共同で実施。駅構内に設置されたサムライの格好をしたマネキンが利用者の質問に応じて、浅草駅構内や周辺の観光情報、夏のキャンペーン情報などを音声とモニタにより日本語と英語で紹介する。
今回、Nextremerの対話システム「minarai」が搭載された「AI-SAMURAI」を、凸版印刷が共同で開発。訪日外国人向けの観光情報案内サービスとして提供していく。凸版印刷と東武鉄道は今後、AIを活用した新たな観光サービスや、5G(第5世代移動通信方式)など、次世代技術の活用を想定したさまざまなシーンでの案内支援・サービス向上に向けた取り組みを行っていく方針だ。