「IBM z14」

日本IBMは7月18日、メインフレームのブランド名を「IBM Z」に変更し、最新製品である「IBM z14」を発表した。新製品は1日あたり120億件を超える暗号化トランザクションを処理する能力を備え、アプリケーション、クラウド・サービス、データベースにおける全てのデータを常に暗号化できるようになったことが最大の特長だという。

新製品では、企業のセキュリティ責任者やデータ・セキュリティの専門家、さらに150社を超える世界中の顧客からのフィードバックを反映し、データ保護の能力を拡張したという。

z14は初めて、システムに関わるすべてのデータをOSレベルでハードウェア暗号化の機能を使用して一度に暗号化できるようになった。今回、暗号化アルゴリズム専用の回路を4倍にすることで暗号化処理性能を前モデルであるIBM z13比で最大7倍に増強した。

また、ハッカーの標的となりやすい暗号化キーを保護するためのハードウェアを搭載しており、侵入の徴候があるとキーを無効化させ、その後、安全に復活させることができるという。z14のキー管理システムは連邦情報処理標準(FIPS)レベル4標準に準拠している。

加えて、z14は前モデルのz13比で約3倍となる最大32TBのメモリがで搭載可能で、zHyperLinkを利用することでストレージ・エリア・ネットワーク応答時間をz13に比べて10分の1に短縮したという。

これらのマシン性能向上に加えて、本年2月に発表したIBM Machine Learning for z/OSを用いた機械学習により、業務分析モデルの作成、学習、展開を自動化することが可能。

また、z14では、クラウド・サービスとの連携がよりスムーズになり、IBM z/OS Connectを使用してAPI経由でIBM Z上にあるビジネス・アプリケーションやデータと連携する。

さらに、APIを使用してデータやアプリケーションにアクセスする際の暗号化処理を、x86を基盤にした代替テクノロジーより3倍近い速さで実行することが可能だという。

同社では、今回の発表に合わせて新しいソフトウェア価格設定を提供するContainer Pricing for IBM Zの導入を発表。支払いソリューション向けには処理に使用された容量ではなく実際に処理された「支払い数ごと」の料金オプションを設定するなど、予測がしやすく透明性の高い料金体系などが含まれるという。これらは2017年末までにz/OS V2.2およびz/OS V2.3で利用可能となる予定。