木星の周回軌道を飛行中の米探査機「ジュノー」が木星の赤い大斑点に接近して撮影した画像を米航空宇宙局(NASA)が13日公開した。

画像1 ジュノーが今年4月3日に撮影した木星の画像と別途NASAが所有する地球の画像を合成したもの(提供・NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Christopher Go)

画像2 ジュノーが7月10に撮影した木星の赤い大斑点の接近画像。木星の上空約14,000キロで撮影。ジュノーのデータに他の研究者のデータも加味して修正したもの(提供・NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Jason Major)

NASAなどによると、木星の赤道付近にあって特徴ある模様の赤い大斑点は幅が約16,000キロもある。地球の幅の約1.3倍もあり、地球が中にすっぽり入ってしまう大きさだ(画像1)。ジュノーは今回、大斑点の上空約9,000キロまで接近、同約14,000キロ地点などいくつかの地点で撮影した(画像2)。大斑点の正体は、大気が渦巻いて複雑な形状を作っている木星の「嵐」と言われる。

ジュノーは2011年8月に打ち上げられてから5年近くの長旅を続け、昨年7月に木星に到達。細長い楕円(だえん)周回軌道に入った後、木星に近づいたり離れたりしながら約50日かけて木星を周回している。この間ガスなどを観測し、太陽系最大の惑星である木星誕生の謎に迫るデータを収集している。

木星は太陽系の中で大きさや質量が最大の惑星だ。質量は地球の約320倍もあり、赤道に並行して見えるしま模様や赤い大斑点の存在がよく知られている。主に水素やヘリウムのガスでできているガス惑星で、アンモニアの氷の雲が表面で美しいしま模様を作っている。木星誕生の過程が詳しく分かれば太陽系の起源の謎解明につながるとされており、ジュノーによる観測成果に多くの研究者が期待を寄せている。

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