イー・ガーディアンは5月23日、SNSやインターネット広告などの画像を人工知能(AI)により自動分析し、企業のマーケティングなどをサポートする新AIシステム「Kiducoo AI(キヅコウ エーアイ)」の提供を開始した。

イー・ガーディアン 代表取締役社長 高谷康久氏

イー・ガーディアンは、投稿監視、風評調査、ソーシャルリスニングに関するサービスを提供する企業。これまで、AIを活用したテキスト投稿監視システム「E-Trident」や、東京大学と連携した人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」を開発している。また、投稿監視で培ったビッグデータ解析ノウハウと掛け合わせることで、実用的なAIソリューションを提供している。

富士キメラ総研が実施した「2016 人工知能ビジネス総調査」によると、AIビジネスの国内市場は、2020年は1兆20億円、2030年には2兆1200億円と、2015年の14.1倍に拡大すると予測されているという。このような市場の拡大やニーズの高まりを受け、今回インターネット社会の課題を解決する新たなAIソリューションとして、画像内物体検知システム「Kiducoo AI」を開発し、提供する運びとなったと説明している。

今回発表した「Kiducoo AI」は、最新の物体検知アルゴリズムにイー・ガーディアンのAI技術を融合することで、SNSやインターネット広告などの画像データに含まれる要素を自動解析し、タグ付けできる画像内物体検知システム。

画像に「何が写っているか」「どこに写っているか」の分析を得意とするため、特定のターゲットにとって何がトレンドとなっているか、特定のシーンで使用されている商品の傾向などを導き出し、マーケティングデータの収集に役立てることができる。また、インターネット広告などの画像解析により、広告クリエイティブ・配信先などを最適化するデータ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)をサポートできる。

イー・ガーディアン 取締役の佐伯朋嗣氏

具体的には、同社が得意とする投稿監視などの分野以外にも、飲料メーカーが、InstagramやTwitterといったSNSから自社製品が写る投稿写真を探したり、自社製品と一緒に写っている製品を調べるなどの利用方法が考えられる。

そのほか、部屋画像を送るだけで引越費用の見積もりや、冷蔵庫内の写真を送るだけでレシピをレコメンドするサービスなど、応用的な利用も可能だ。

アフィリエイト広告の健全化を目指すプロジェクトを発足

また同日より、インターネットメディアコンテンツの運用団体による「インターネット広告健全化」プロジェクトを発足。イーガーディアンが発起人となり、健全なインターネット広告環境を構築することを目的とするプロジェクト団体だ。

アフィリエイト広告市場は今後も増加すると予想

同プロジェクトの第1弾では、アフィリエイト広告に特化し、日本のASP(アフィリエイト・サービス・プロバイタ)各社と連携し、消費者に不利益となるアフィリエイト広告の低減に向けた取り組みを目指す。

加盟企業は、アドウェイズ、インタースペース、バリューコマース、ファンコミュニケーションズ、フォーイット、リンクシェア・ジャパン、レントラックスの7社が参画を表明している。

参画企業は、アドウェイズ、インタースペース、バリューコマース、ファンコミュニケーションズ、フォーイット、リンクシェア・ジャパン、レントラックスの7社