imecとHolst Center、低コストの眼球運動検出技術を開発

眼球運動検出センシングの様子 (提供:imec)

ベルギーの独立系半導体ナノエレクトロニクス研究機関imecとオランダのハイテク研究機関Holst Centre (imecとオランダの独立行政法人TNO(応用科学研究機構)がフィリップス中央研究所跡地に共同設立した研究機関)は5月16日(欧州時間)、電気的な検出法を用いて眼球運動をリアルタイムで検出する正確かつ低コストなセンシング技術を開発したと発表した。この眼球運動検出技術は、従来のカメラを用いた手法を安価に置き換えるだけではなく、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の分野へ応用できるとしている。

今日の眼球運動検出技術は、眼球追跡スクリーンまたは眼鏡に埋め込まれた高解像度カメラを利用しており、医療、研究、ゲームなど、さまざまな目的のために製品化されている。このようなカメラを用いたやり方は、ユーザーがどこを見ているかを正確に判断することが可能であるが、ほとんどのカメラのフレームレートは、読書中の典型的な動きであるサッカード(衝動性運動)のような速い目の動きに十分に追従できないという課題がある。もし、そうした動きに追従できるようにカメラを改良しようとすれば、コストが跳ね上がり、商業的な利用が困難になる可能性があるという。

imecとHolst Centreは、今回の研究にて開発された電気的センシングに基づく手法は、従来ソリューション比で安価ながら画像処理の遅延の問題を解決することが可能だと説明する。

銅センサは、各レンズの周りに4つの内蔵電極(目の垂直方向の動きをピックアップする2つの電極と水平方向の動きのための2つの電極)を備えたメガネセットに集積されている。これと並行して開発された高度なアルゴリズムにより、目がその中心視点で作り出している角度に基づいて、電気信号を具体的な位置情報に変換。そして、目の動きの速さやまばたきの頻度やまばたきまでの時間といった、目の行動に関する情報を提供する。

これらの目の行動に関する情報が分かるようになると、例えば従来は手で行っていたPCモニタ上のカーソル移動を眼球の動きで代替したり、異なるまばたきのパターンでファイルを選択、開封、ドラッグといったことを行うことが可能になるという。

なお、imecのバイオメディカル応用グループのGabriel Squillace研究員は「人間の目には自然の電位がある。私たちは、これを利用して、現在市販されているものよりもコストを1/5に低減しつつ、最大4倍の速さで、目の位置をリアルタイム検出できる次世代の眼球運動検出装置を開発している。imecの目標としては、サッカードなど速い目の動きを追跡できるソリューションを開発し、ARおよびVRへの応用分野でシームレスなリアルタイム追跡を可能にすることである」と述べている。



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