日本ガス協会は、運送事業者による高効率天然ガス(CNG)トラックの実証走行試験を4月より開始した。燃費と環境性の向上を実証し使い勝手を検証することで、高効率なCNGトラックを開発し、量産化を促すことが今回の走行試験の狙いだ。

4月24日 東京ガス「ガスの科学館『がすてなーに』」関係者約70人が出席

CNGトラックは、ディーゼルトラックよりも排気ガス内の有害物質が少ないため、環境対策の一環として普及している。しかしディーゼルトラックの環境性能向上が著しい中、CNGトラックは2005年からモデルチェンジがなく、その優位性は縮小傾向だ。

自動車部品メーカーのHKSが、ディーゼルトラックをCNG仕様に改造した。排気量3Lの過給器(ターボ)付エンジンが搭載され、小排気量化による出力やトルクの不足をターボで補うとともに、効率向上を狙う。

本試験期間は2年間で、日本ガス協会が環境優良車普及機構に委託して実施する。運行は佐川急便と新潟運輸が協力。佐川急便は2t、新潟運輸が3tトラックを実務で使用する。1年目は通常のバルブタイミングエンジン、2年目はミラーサイクル技術を採用し、高効率化を目指す。最終的にはディーゼルエンジンと同等の出力・トルクを維持しつつ、CO2排出量を現行のCNGエンジンより、10%削減することを目標とするそうだ。