富士通は、歩行移動しながらでも自律的にネットワークを構築できる機能を搭載したIoT向けアドホック無線通信装置「Edgiot AHシリーズ」および「Edgiot GW1100」を、本日5月8日より販売を開始した。価格は「Edgiot AH1100(親機)」が3万5,000円、「Edgiot AH1200(子機)」が2万9,000円、「Edgiot GW1100」が3万8,000円。

「FUJITSU Network Edgiot AH1200」

「AHシリーズ」は、遮蔽物の多い場所でも安定した通信が可能な920MHz帯無線で、マルチホップ通信による広範なネットワークを構築し、BLEセンサーからのデータを収集できるIoT向けアドホック無線通信装置。

スマートフォンほどの大きさで携帯性に優れ、歩行移動しながらでも装置同士が位置関係を常に認識し、自律的に無線ネットワークを構築できる機能を搭載する。これにより、複数の作業員が現場で歩行移動しながら作業した場合でも、無線通信装置の設置場所を意識することなく、常に安定した無線ネットワークを利用できるという。

また、LTEや3Gなどのモバイル通信ではなく、免許不要な無線周波数帯である920MHz帯無線を利用してデータを収集できるため、従来方式と比べてシステム導入と通信にかかるコストを約35%削減できるとのことだ。920MHz帯は2.4GHz帯などの他の免許不要な無線周波数帯と比べて遮蔽物を回り込む電波特性に優れ、電波干渉も起こしくく、安定した無線ネットワークを構築できる。

さらに、装置同士が動作状態を常に監視し、故障などによってネットワークの一部で障害が生じた場合でも、自動的に迂回経路を見つけて通信を継続できるアドホック通信機能を搭載し、高い信頼性を確保できるという。

収集されたデータは「AHシリーズ」専用ゲートウェイ装置「GW1100」を介してクラウド型のIoTデータ活用基盤「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」に蓄積される。これによりユーザーは、トンネルや地下などの電波環境が悪い作業現場でも安定的にデータを収集し、目的に応じて利活用できるということだ。

IoT向け無線システムのイメージ