さくらインターネット、IoTプラットフォーム「sakura.io」を正式リリース

さくらインターネットは4月18日、都内で記者会見を開き、昨年から提供している「さくらのIoT Platform β」の正式サービスとしてIoTプラットフォーム「sakura.io」の提供を開始すると発表した。

「sakura.io」のロゴ

同サービスは、モノとネットワークでデータを送受信するための「さくらの通信モジュール」、通信環境、データの保存や連携処理に必要なシステムを一体で提供するIoTプラットフォーム。

さくらインターネット 執行役員 技術本部副部長の江草陽太氏

さくらインターネット 執行役員 技術本部副部長の江草陽太氏は「提供するデバイスはつなぐための要となる通信モジュールで、LTEのカテゴリー1の通信に対応した単体方式と、用途により2.4GHzまたは920MHz(LoRa:LPWAの1つ)の変調方式の通信モジュールから各変調方式に対応し、送受信するゲートウェイ方式を用意している。同方式は直接LTEの回線には接続できないため、中継機となるゲートウェイを販売する。将来的な量産を見据え、開発キットとしてArduino/Raspberry Piシールドや開発ボードといったオプションパーツ群を提供する。これらはハードウェア販売ではなく、プラットフォームを販売するための1つの機能だ」と話した。

提供するデバイス

また、同氏は「プラットフォーム全体としては自動接続、データ自動保存、アップデート、時刻提供、簡易位置情報提供、ファイル配信といった機能を備える。さらに、連携機能はWebhookやMQTT、Web Socketなどの汎用プロトコルと通信できるほか、Node-REDやmy Things、Azure IoT Hub、AWS IoTといった多様なデータを処理するためのプラットフォームと接続を可能にしている。セキュリティでは、LTEの回線を閉域網で保有しているため、通信モジュールからデータセンターまでは専用線接続となり、外部アクセスはAPIによるアクセスのみとなる」と説明した。

プラットフォームが提供する機能

提供方式は、個包装(1個~)、トレイ(90個単位)に加え、新たにライセンス方式としてハードウェアライセンス、プロトコルライセンスを用意。ハードウェアライセンスは「形状変更したい/同一基板に載せたい」、プロトコルライセンスは「自社ソフトウェアに組み入れたい」といった要望にそれぞれ対応している。

提供方式の概要

ハードウェアライセンスの概要

プロトコルライセンスの概要

そして「市場のシェア獲得を目指すのではなく、新しい価値・市場を生み出すものと考えており、このような市場の拡大を目指す。今後、オプションパーツやLPWAなどの取り組みや、ユーザー間でデータの流通を容易にできるような機能や仕組み作りをするためのデータエクスチェンジを提供していく」と江草氏は今後の展望を語った。

今後の活動計画

さらに、ゲートウェイ方式についてはLoRaの通信モジュールの仕様および料金を設定するテストチームメンバーを募集し、募集件数は10社、料金は無償、期間は6月下旬から10月を予定しており、検証キットは、さくらの通信ゲートウェイ(920MHz)×2、通信モジュール(同)×2、ワークショップキット×2(Arduino、シールド、電源、温湿度計)となる。

加えて、sakura.ioの提供開始にあたり、同サービスを利用する顧客製品の量産化計画をサポートする取り組みを実施。すでにパーツを販売する企業、通信モジュールの搭載方法のアドバイスを行う企業などとともに、サポートを行っており、今後も多くの企業と連携を行い、顧客を支援していくという。

価格は、モジュール料金(単体方式)が8000円、月額基本料金が60円(毎月1万回分の通信が可能なポイント付与)、Arduinoシールドが5000円/台、開発ボードが2500円/台となり、提供日は5月上旬以降に順次、発送を予定している。一方、ゲートウェイ方式(920MHz)のモジュール料金は今後テストメンバーと設定するが、目標価格帯は5000円以下、月額基本料金は20円以下を想定している。

世界でシェアできるIoTプラットフォーム

さくらインターネット IoT事業推進室 室長兼IoTプラットフォームチームシニアプロデューサーの山口亮介氏

さくらインターネット IoT事業推進室 室長兼IoTプラットフォームチームシニアプロデューサーの山口亮介氏は「sakura.ioは、これからIoTを使い、さまざまなデータとモノがつながり、誰もがデータを活かせる世の中になって欲しいということがコンセプトだ。IoTは、製品からサービスまで一気通貫で提供する事業者、暗号化技術や通信モジュールを提供する事業者が存在するが、われわれは製品/サービスのパーツになり得るものとして、通信機能、データ保存、連携機能を統合的に提供し、注力分野は商用、コンシューマを対象とした広義のIoTとなる。われわれはこれまで気付けなかったモノやコトの相関性や完成性を見出し、世界でシェアできるプラットフォームを目指す」と意気込みを語った。

また「sakura.ioはユーザーがIoTを利用する際にデータの送受信手段や安全な通信経路、デバイス認証/管理、プラットフォーム機能(データの収集/蓄積/連携)といった、やらなければならないことを統合的に提供することで、ユーザーはやりたいことに注力できる」と同氏は優位性を訴えた。

ユーザーがやらなければならないことを提供する

さらに同氏は「エンジニアは電気信号とWebサービスの両方に知見があるかと言えば、そうとは限らないことがあるため、sakura.ioは電気信号とWebのエンジニアによく使われるJSON(JavaScript Object Notation:軽量のデータ交換フォーマット)を相互変換するプラットフォームとなる。用途としては、既存の仕組みを切り替えるようなモダナイゼーション、新しい考え・アイデアで世の中を変えていくイノベーション、そこになくても困らないが、あると便利なちょい足しとなる」と説明した。

sakura.ioの利用用途

加えて、同社ではデータエクスチェンジの提供に向けて、情報銀行というものを検討しており、これは今後見込まれるIoTの拡大に対し、人の動作や行動、体内変化といったリアルデータを、どのように扱っていくのか、また情報の守り方や信託のスキームについて、プロジェクトを日本総研と5月からFS(事業可能性調査)を行う予定だ。

さくらインターネット フェローの小笠原治氏

データエクスチェンジついて、さくらインターネット フェローの小笠原治氏は「個人のリアルデータを、いかに守り、管理できるようにしていくか、それを利活用して持続可能なビジネスエコシステムの構築に取り組む。また、システムのプロトタイプを開発するほか、実証運用・ビジネス面・技術からFSを実施し、制度面から当該スキームのガバナンスのあり方や個人情報の匿名加工の基準などのガイドライン案を作成する。情報銀行と個人の関係や、情報を運用することで金銭的な便益を受けれるのかということを考え、セキュリティをベースにして利用者から信頼を得られるようにしていく」と強調した。

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