フジテレビジョンと日本マイクロソフトは、フジテレビが新しい視聴者体験を提供する「DREAM FACTORY(ドリファク)」と呼ばれる動画投稿サイトに関して、クラウド/AI技術で連携することを発表した。
ドリファクは、次代を担うアーティスト、パフォーマー、クリエイターの活躍の場を広げることを目的としたランキング動画投稿サイト。2016年1月16日に立ち上げられ、数多くのクリエイターやタレントを生み出すことを目標としている。「ラブ」と呼ばれるポイントを得ることで、ランキングが上がっていく仕組みだ。
ドリファクでは、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」のAI技術を活用。このAI技術を使い、動画コンテンツのグローバル化を目指す。まず2017年7月1日から、日本語、英語、中国語、フランス語、スペイン語の動画字幕の自動翻訳機能をスタート。ゆくゆくは、ドイツ語やイタリア語などを含めた9カ国語に対応するようだ。また、今後は顔認識による肖像権チェック(顔ぼかし)といった機能も実装していくという。
世界に向けて次世代のクリエイターを生み出すというフジテレビの目的
フジテレビジョン 常務取締役の大多亮氏は、「フジテレビとしては、スターを作りたい。テレビの力というのは、スターを輩出していく力、これに尽きるのではないかと思う。テレビ局が提供するコンテンツなので、安全性、信頼性が高くなければいけない。そこでMicrosoft Azureを利用すれば、安全かつグローバルな展開ができるのではないかと思い、一緒にやろうということになった」と話す。
かつて「フジっ子」と呼ばれる、フジテレビの番組で育ったクリエイターやタレントがいた。フジテレビとしては、世界中で人気を獲得する「次世代のフジっ子」を生み出したいようだ。
連携による日本マイクロソフトとしてのメリットとは?
日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏は、「今回の発表は、個人のクリエイターの思い、アーティストの思いどういう風に表現されるかという点も含め、さまざまな部分で我々が持っているミッションと重なるところがあるのではないかと感じている」と話す。
Microsoft Azureには、動画配信機能「Azure Media Service」という機能があり、動画配信に必要なものが一式入っている。日本マイクロソフトとしては、フジテレビから提供されたドリファクのコンテンツをもとに、AI技術の機能向上へと繋げていくとしている。
両社の連携の成果はドリファクばかりでなく、今後フジテレビが運営するCS放送チャンネル「フジテレビ ONE/TWO/NEXT」にも活用していく予定。字幕の翻訳や顔ぼかしといったものは、現在手作業で行われているため、作業コストを減らすことにつながる。フジテレビの大多氏によると、いずれはBSや地上波にも活用してくとのことだ。