第20回 文化庁メディア芸術祭の受賞作を発表 - アニメ部門は「君の名は。」

文化庁メディア芸術祭実行委員会は16日、「平成29年度文化庁メディア芸術祭賞」の受賞作品と功労賞を発表した。

今年で20回目を迎えた「文化庁メディア芸術祭」は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門別に優れた作品を選出し、表彰する制度。今年度の応募では、2016年7月7日~9月9日の65日間に、 世界87カ国から4,034作品(うち、海外からの応募は2,249作品)が寄せられた。厳正なる審査の結果、部門ごとに受賞作品(大賞、優秀賞、新人賞)と、功労賞が選出され、発表された。

受賞作品は、各部門で大賞1作品、優秀賞4作品、新人賞3作品が選出された他、功労賞としてメディア芸術分野に貢献した4名が表彰される。受賞者には賞状、トロフィーの他、副賞として大賞60万円、優秀賞30万円、新人賞20万円が贈呈される。

アート部門大賞『Interface I』Ralf BAECKER (c)2016 Ralf Baecker

アート部門の大賞は、ドイツ・デュッセルドルフ生まれのアーティストRalf BAECKER氏の「Interface I」(インターフェイスワン)が受賞。192個の直流モーターを用いて「構造と行動の関 係」を探求するキネティック・インスタレーション作品。各モーターは上下一対のペアになり、両者をつなぐ糸の綱引きが生じる構造となっている。これらをつなぐ赤いゴムバンドが網目状に広がり、要素がつながり影響し合うシステムとなっている。同作品は世界の表象とミクロな構造の具象化を機械的なシステム構築によって結びつけた点が高く評価された。

エンターテインメント部門大賞『シン・ゴジラ』 庵野 秀明/樋口 真嗣 (c)2016 TOHO CO.,LTD.

エンターテインメント部門の大賞に選ばれたのは、庵野秀明氏/樋口真嗣氏の映像作品「シン・ゴジラ」。特撮映画シリーズ「ゴジラ」の12年ぶりとなる最新作で、「現代日本に初めてゴジラが現われた時、日本人はどう立ち向かうのか」をテーマに、その社会状況を忠実に再現し、リアリティを追求した災害シミュレーションをドキュメンタリータッチで描かれている。日本の特撮やアニメーション、実写のスタッフと技術が集結した鮮烈な映像作品は、製作現場における思考停止およびルーティン化していた部分を破壊し、新しいステージに進んだという点が評価された。

アニメーション部門大賞 『君の名は。』新海 誠 (c)2016 TOHO CO., LTD. / CoMix Wave Films Inc. / KADOKAWA CORPORATION / East Japan Marketing & Communications,Inc. / AMUSE INC. / voque ting co.,ltd. /

アニメーション部門の大賞は、新海誠氏の劇場アニメーション「君の名は。」が受賞。世界の違うふたりの隔たりとつながりから生まれる「距離」のドラマを、圧倒的な映像美とスケールで描いているほか、緻密なロケーション設定とそれを支える確かな風景描画に世界観を持った音楽が加わり、ファンタジックな物語をより強いリアリティとともに表現している。アニメーションが現代人の心の象徴となったことが高く評価された。

マンガ部門大賞『BLUE GIANT』石塚 真一 (c)ISHIZUKA Shinichi / SHOGAKUKAN

マンガ部門の大賞に選ばれたのは、石塚真一氏の「BLUE GIANT」(ブルージャイアント)。ジャズに魅せられた少年・宮本大が一流のジャズプレイヤーを目指す「青春ジャズ成長譚」で、作者の迫力溢れる筆致により紙面上で音が鳴っているように感じられる意欲的作品となっている。荒削りながら得体のしれない迫力で周囲を圧倒する主人公のように、同作はジャズを知る人も知らない人もぐいぐい惹きつけたこと、そして魅力的なキャラクターが1人ひとり丁寧に描かれ、読者の胸を打つ作品へと結実させていることが高く評価された。

また、贈呈式、受賞作品等を紹介する作品展は、9月に東京都・初台のNTTインターコミュニケーション・センターと東京オペラシティアートギャラリーを中心に開催予定となっている。

なお、各部門のその他の受賞者、および受賞作品一覧は以下のとおり。

第20回 文化庁メディア芸術祭 受賞一覧

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