NECソリューションイノベータは、医療用医薬品のバーコードをスマートフォンで読み取る組込み製品「NEC 医薬品バーコードリーダー」の販売を開始した。価格は台数により、100万~500万円(税抜・年間保守料別)。

医薬品卸業の利用イメージ

同製品は、医療用医薬品に表示されている国際規格GS1バーコードをスマートフォンのカメラで読み取る機能を組込み製品として、スマートフォン用のアプリで提供するもの。

現在、厚生労働省では、トレーサビリティの強化や流通の効率化などを目的として、医療用医薬品の調剤包装および販売包装には従来のJANコードではなく、GS1バーコード表示を行うよう推進している。医薬品メーカーはGS1バーコードへの対応が必要となり、有効期限や製造番号の表示も求められるようになっているが、医療用医薬品に表示されているバーコードは、一般に普及しているバーコードと比べて普及範囲が限られているため、対応するバーコードスキャナや読み取りソフトは高価なものも多く、高額な初期投資や導入にかかる期間などが課題となっていたという。

同製品を使用することにより、医療用医薬品の管理に必要な「商品コード」、「有効期限」、「製造番号」などの情報を、スマートフォン経由で収集することができる。また、医療用医薬品や医療機器で使用されるGS1バーコード(5種類)に加えて、JANコード(8桁、13桁)、ITFコード(12桁、14桁)にも対応する。

同製品の導入に際しては、医薬品管理などを行うスマートフォン上の業務アプリとつなぎ、レセプトコンピュータやさまざまな業務システムと連携することで利用が可能になる。これまでは、比較的高価な専用バーコードスキャナやソフトウェア開発キットとして提供されている読み取りソフトが必要だったが、同製品は、汎用的なスマートフォンと導入しやすいアプリで対応できるため、導入期間の短縮とコスト削減につなげることができる。

価格は、ライセンス台数100台までが100万円(年間保守費10万円)、500台までが250万円(年間保守費25万円)、1,000台までが350万円(年間保守費35万円)、無制限が500万円(年間保守費50万円)、いずれも税抜。同製品と連携する業務アプリおよび業務システムが別途必要となるほか、同製品と業務アプリおよび業務システムとの連携対応は応相談。今後2年間で100社への販売を目指しているということだ。