デジタルガレージ(DG)は2月3日、ブロックチェーン関連技術の開発を手がけるカナダのBlockstreamとブロックチェーン技術を活用した次世代プラットフォームの共同開発や、日本市場向けのプロダクト開発について基本合意したと明らかにした。

Blockstreamは、ビットコインの開発を手がけてきたエンジニアが数多く所属し、ブロックチェーンをさまざまな用途で利用するための先進的なイノベーションを行っているという。DGは2016年2月に投資子会社を通じ、Blockstreamに出資している。

今回の基本合意に基づきDGは、2016年7月にカカクコム、クレディセゾンと共同で設立したオープンイノベーション型の研究開発組織「DG Lab」において、Blockstreamが開発したブロックチェーンの拡張技術である「サイドチェーン」を利用し、日本市場に向けた新たなプロダクトの開発に取り組む。

具体的には、他の重点カテゴリである「AI」や「セキュリティ」などの技術も組み合わせ、クレジットカードなどのポイントや電子マネー・プリペイドといったバリュー、仮想通貨などの「リアルタイム交換システム」、地域経済の活性化において重要である域内小売への定量的送客マーケティング機能、消費者のメリットを重視した「地域マネーシステム」、金融商品などの契約および、その執行を自動化する「スマートコントラクトシステム」を挙げている。

ブロックチェーンで実現を目指すDG Labのソリューション

DG Labは、ビットコインのベースに使われているブロックチェーン技術の応用に注力しており、今回の合意に基づき、DG LabのブロックチェーンのエンジニアチームをBlockstreamの拠点であるサンフランシスコに派遣し、Blockstreamのエンジニアと「Elements」と呼ぶオープンソースのブロックチェーン基盤の共同研究開発を実施。

成果物であるこれらのプロダクトは、DG LabやDG Labファンドの参画企業、業務提携先企業などを通じた市場展開を企図している。すでにDG Labは、これらの試作版の開発に一部着手しており、ブロックチェーン技術の動向を常に見据えつつ、こうした技術の事業化に向けた実用的なプロダクト開発を推進する準備を整えているという。

DGおよびDG LabはBlockstreamとの共同研究開発を通じ、ビットコインだけでなく、ブロックチェーンの応用が期待されるデジタル資産の安全かつ低コストでの循環を可能にする社会基盤の構築を目指すほか、DG Labのエンジニアはビットコインやブロックチェーンのコアとなるオープンソース開発にも引き続き積極的に貢献していくとしている。