2016年秋発売のMacBook Proシリーズのバッテリー駆動時間が不安定であるとして米Consumer Reportsが「推奨(Recommended)」評価を与えなかった問題で、Appleによる調査結果をConsumer Reportsが公表した。テスト結果が異常な数値になったのはテストの設定とSafariのバグが原因だったという。

非営利の消費者団体であるConsumer Reportは市販されている製品を実際に購入し、その性能や機能、使用体験などを独自のテストで評価している。消費者の側に立った団体であるため、その製品評価は消費者から強く信頼されている。

昨年12月、Consumer Reportsはバッテリーに関するテストで、MacBook Proのバッテリー駆動時間が極端に短くなることがあったため「推奨」評価を与えなかった。AppleはTouch Bar搭載13インチモデルのバッテリー駆動時間を最大10時間(ワイヤレスネット閲覧)としているが、Consumer Reportsのテストでは1回目が16時間、2回目が12.75時間、3回目がわずか3.75時間だった。他のモデルも同様に不安定で、Touch Barを搭載していない13インチモデルは1回目の19.5時間から2回目に4.5時間に落ち込み、15インチモデルも8時間~18.5時間だった。同団体がApple製のノートパソコンを非推奨とするのは今回が初めて。

そのConsumer Reportsの評価に対して、すぐにAppleのPhil Schiller氏(ワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント)が「われわれの徹底したテスト結果や実際の使用データと一致しない」と反論、Consumer Reportsと連携した調査を開始していた。

Consumer ReportsのWeb閲覧のバッテリー駆動時間のテストは、Wi-Fi接続、ディスプレイがオンの状態で、システムが終了するまで10のWebページの連続ロードを繰り返した。Appleの調査で明らかになった問題の1つは、Consumer Reportsが開発者モードでテストしていたこと。一般ユーザーが使用するモードではないが、 Webページのデータがキャッシュされない設定でバッテリー駆動時間を計るために開発者モードを使用していた。さらに調査を通じて、Safariの開発者モードにアイコンなどの再ロードが繰り返されることがある問題が見つかった。このバグが消費電力を増やし、バッテリー駆動時間に影響していた可能性が高い。

AppleはSafariのバグを修正するアップデートをベータプログラムで提供し始めており、アップデートを受けてConsumer Reportsは再テストを行い、その結果を公表すると約束している。