半導体市場調査企業の米VLSI Researchは1月10日(米国時間)、2016年のフラットパネルディスプレイ(FPD)メーカーの設備投資の総額が前年比で55%増加したが、グローバル規模のFPDの売上高は10%以上減少したとの調査結果を発表した。

VLSI Research EuropeのJohn West 氏 (提供:VLSI Research)

調査を担当した同社 欧州法人であるVLSI Research EuropeのJohn West氏によれば、「設備投資の増加は、主に中国での新規FPD製造工場建設による生産能力増強と韓国での液晶から有機ELへのアップグレードにともなう増資よってもたらされた」とする。また、「2017年のFPD市場は弱含みながら、設備投資は衰えを見せず、FPD製造装置販売にとっては引き続き好調な年となるだろう。しかし、この結果、生産能力がさらに大きく増加し、2019年には深刻な供給過剰が生じる可能性が高い」と今後の設備投資の進み方次第では市場が軟化する危険性を指摘している。

なお同氏は、「映画やテレビ番組は、ますますモバイルデバイスの小さな画面で見られるようになっており、期待されたようには大画面では見られなくなっている。湾曲した大画面のテレビや3Dテレビは、販売目標を達成できず、いくつかのサプライヤは生産を中止している」と人々のFPDを用いたコンテンツの視聴習慣が変化しているとの指摘も行っている。