Microsoftは2017年1月5日(以下、すべて現地時間)、次期Windows 10でコマンドプロンプトが廃止されるというウワサに対して、公式ブログで明確に否定した。このような対応は同社としては珍しく、2016年末に米Computerworld誌や米Business Insider誌が掲載したこともあり、前述のウワサを払拭するための意見表明と推察される。
2017年前半リリース予定のWindows 10 Creators Updateの完成を目指し、テスト中のWindows 10 Insider Previewでは、クイックアクセスメニューの既定設定として、コマンドプロンプトがPowerShellに置き換わり、エクスプローラーの<ファイル>タブからもコマンドプロンプトの起動項目が取り除かれている。
本仕様については、2016年11月17日にリリースしたWindows 10 Insider Preview ビルド14971のリリースノートで明らかにしているが、Microsoft シニアプログラムマネジャーとしてWindows Consoleチームに所属するRich Turner氏は、「(PowerShellではなくコマンドプロンプトへ)既定の設定は「設定」の<個人用設定/タスクバー>から元に戻せる。コマンドプロンプトが削除された訳ではない」と説明した。また、Windows 10をビルドし、テストする自動システムの多くはWindowsコマンドスクリプトを使用し、多くの顧客とパートナーもコマンドプロンプトに依存しているため、前述の記事にあるようなウワサは正しくないと述べている。
<個人用設定/タスクバー>に並ぶ<[スタート]ボタンを右クリックするかWindowsキー+Xキーを押した時に表示されるメニューで、コマンドプロンプトをWindows PowerShellに置き換える>のスイッチオン/オフで設定を変更できる |
その上で既定設定をコマンドプロンプトからPowerShellに置き換えた理由として、Turner氏は「30年近く使い続けられてきたコマンドプロンプトは、(互換性の問題から)簡単に改善や改良を加えることはできない(中略)。他方で2016年10月に10周年を迎えたPowerShellは、複雑&冗長なスクリプトレットを簡単に実行するエイリアスを組み合わせることで強力なシェルだ」からだという。今後「Windowsからコマンドプロンプトが削除されると主張する人に対しては『いいえ!』と回答してほしい」と述べている。
阿久津良和(Cactus)