モリサワは8日、「タイプデザインコンペティション 2016」の審査結果を発表した。

応募作の中から高評価を受け、製品化が決まった2つのフォント。和文部門は「しまなみ」松村潤子氏(日本/モリサワ賞金賞・明石賞)、欧文部門は「Vonk Regular, Italic」バルト・ヴォレブレヒト(オランダ/モリサワ賞金賞・明石賞)

「タイプデザインコンペティション 2016」は、モリサワが主催するタイプフェイスデザインのコンテスト。応募は2016年5月1日から7月31日にわたって受け付け、世界49の国や地域から、739点(和文部門205点、 欧文部門534点)の作品が寄せられ、前回開催時(2014)の386点から大幅に増加した。

和文部門

銀賞 「月映え」 小澤直子(日本)

銅賞 「なつめ M, B」 豊島晶(日本)

(左から)佳作 「雁楷書」 大庭三紀(日本)/佳作 「tgk02」 ヨコカク(日本)/佳作 「くれとんぼ」 多田遼太郎(日本)

審査フローとしては、まず「モリサワ賞」として、金賞、銀賞、銅賞各1点ずつと佳作各3点を選出。さらに、モリサワからの製品化にふさわしい優れた作品に贈られる「明石賞」が和文・欧文各1点選出された。また、「ファン投票」枠では、一般投票(Web)で得票1位・2位の作品が決定した。

欧文部門

銀賞 Rododendron イトカ・ヤネッコヴァ(チェコ)

銅賞 「Abelha」 ミシェル・デール、 ジュリアン・プリエ(フランス)

(上から)佳作 「Edna」 レイモンド・シュローダー(ドイツ)/佳作 「Newline」 クリスチャン・メンゲル(スイス)/佳作 「TroisMille」 マーク・ルオー(フランス)

和文部門は鳥海修氏、永原康史氏、原研哉氏、山本太郎氏、欧文部門はサイラス・ハイスミス氏、サラ・ソスコルン氏、フレッド・スメイヤーズ氏、マシュー・カーター氏の計8名が審査を実施した。審査委員長はマシュー・カーター氏が務め、明石賞の審査には、和文・欧文の両部門に森澤典久(モリサワ文研株式会社代表取締役社長)があたった。

ファン投票

(左)得票1位 「間取りフォント」 竹上紗矢香(日本)、(右)得票2位 「涙体」 楊宗烈(台湾)

入賞作品と審査員の講評をまとめた作品集は、2017年春の刊行を予定。最終審査に選出されたファイナリスト作品や今後予定されている各種イベントについては、タイプデザインコンペティション公式サイトで随時アナウンスしていく。