米Googleは11月8日、Google Cloud Platform(GCP)サービス提供するデータセンターとして、東京GCPリージョン(asia-northeast1)の正式運用を開始したと発表した。

Google Cloud Platform(GCP)は、Compute Engineや App Engineなどのコンピューティングのほか、ストレージやデータベース、ネットワーキング、ビッグデータ、機械学習などのクラウドサービスを企業や開発者向けに提供する。

Google Cloud Platformの製品群

東京GCPリージョンは、Gooogleにおいては台湾に次ぐアジア圏内で2番目の拠点で、東京の正式運用開始に伴い選択できるゾーン数は3から6に倍増した。同社では、2017年末までにアジア圏内のリージョン増強を予定しており、合計で5リージョン、14ソーンが利用できるようになる予定だという(この中の増強対象に日本は含まれていない)。

Google Cloudネットワーク

Google Cloud Platform 日本事業統括 塩入賢治氏によれば、今回の東京リージョンの開設には2つのメリットがあるという。1つはレイテンシーの低減で、台湾リージョンを使った場合に比べ、平均で50-85%低減できるという。そして、もう1つは、日本のデータセンターを利用したいという心情的なものだという。

Google Cloud Platform 日本事業統括 塩入賢治氏

同社では、今回の東京GCPリージョンの開設に伴い、大企業でのGCP利用を促進したい考えだ。

Google Cloud プレジデント タリック・シャウカット氏は、「日本は5大市場の1つだ。日本の方に成功していもらうためには、GCPを立ち上げ、お客様が望むパフォーマンスやスピードを、特に基幹系システムを運用する人々に提供したい」と述べたほか、塩入氏は、「東京リージョンの開設によってはお客様の層は増えると考えている。とくにNRIさんのような大手のパートナーさんが重要だ。今後はGCPを使いたいという顧客に合わせてパートナーを増やしていきたい」と語った。

Google Cloud プレジデント タリック・シャウカット氏

タリック・シャウカット氏が、GCPの優位性として挙げたのは、セキュリティ、ビッグデータの解析とマシンラーニング、グローバルなネットワークの3つだ。とくに、ビッグデータの解析とマシンラーニングについては、「クラウドでは他社とどう差別化するかが重要だ。機械学習もその1つので、翻訳、音声認識、文字認識、感情も認識などは、コールセンターでも使うことができ、保険会社では画像認識で車両を特定したり、リスクモデルの作成もできる」と強調。

国内の大企業に対してにフォーカスしていくための戦略としては、顧客と話をしながらGCPを推進するためのカスタマーエジニアの数を増やすとともに、クラウドへの移行に関する技術的なサポートを行っていくという。また、日本のGoToマーケット向けに新しいパートナーを開拓していくためのトレーニングメニューを強化していくという。そのため、同社では「GCPプロフェッショナル認定プログラム」の日本語での認定を近日中に開始する予定だ。