STマイクロエレクトロニクス(ST)は10月7日、バッテリ駆動機器向けワイヤレス給電用チップセットを発表した。

STが今回発表したのはトランスミッタ(送電側)制御IC「STWBC-WA」と、バッテリ(受電側)制御IC「STWLC04」。同チップセットは市場最小(同社調べ)のコイルで最大1Wの電力供給を可能とする。コイルサイズは、受電側が直径11mm、送電側が直径20mmのため、システム設計の小型・薄型化も可能。送電側のコイルを拡大し、フルブリッジ回路を使用すれば、給電量を3Wまで増やすことができる。

また、リチウム・イオンやリチウム・ポリマーといった化学バッテリのワイヤレス給電に対応し、異物検出 機能(FOD)、トランスミッタ検出器、過熱保護回路などの安全機能を備える。送電側制御ICは、ドライバや、ハーフ/フル・ブリッジ・トポロジのネイティブ・サポートを搭載しているほか、ターンキー・ソリューションやカスタムアプリケーション向けに、設定の簡単なファームウェア・オプションが付属する。一方、受電側制御ICは、回路基板を小型化できるバッテリの直接充電に対応すると共に、32bitマイクロコントローラ・コア、高効率・同期整流式バック・コンバータ、ドライバを内蔵している。

STWBC-WA(送電側制御IC)はVFQFPN32パッケージで提供され、単価は1000個購入時に約2.70ドル。STWLC04(受電側制御IC)は、77ピンのフリップ・チップ・パッケージ(3.12 x 4.73mm)で提供され、単価は約1.30ドルとなっている。

STは、今回発表したチップセットについて「スポーツ用の超小型ウェアラブル機器、健康モニタ、医療用センサ、リモート・コントローラなどにおいて、省スペース化、筐体設計と密閉構造の簡略化、および開発期間の短縮を実現します」とコメントしている。