NTTデータとNTTは共同で、NTTドコモ、パナソニック、南海電気鉄道、髙島屋の協力のもと、2020年に向けて「O2O2O(オーツーオーツーオー)」サービスの実証実験を6月10日より開始すると発表した。

O2O2Oとは"OOH to Online to Offline"の略称で、ユーザーに屋外の標識(OOH)を介して情報を提供し(Online)、提供情報に基づきユーザーを目的地(Offline)に案内する仕組み。

実験期間は、6月10日~6月13日および6月17日~6月20日で、対象はなんばエリアを訪れる訪日外国人観光客。

実証実験では、ユーザーがOOHを本実証実験専用スマートフォンアプリケーションで読み取ることにより、近隣の商業施設に関する情報を提供し、目的地へ案内するもの。これにより、同じデザインの屋外標識(OOH)から、最寄りの商業施設への案内(位置情報を活用)を行うことによって、消費者に購買活動を促す効果を検証する。

具体的には

・従来のOOHにO2O2Oの機能を付加することで、情報の認知から目的地までの送客を実現できること。
・OOHが持つ位置情報を活用し、タイムテーブル化された情報提供により送客効果を高められること。
・消費者(本実証実験では訪日外国人)に対して、ピクトグラムを用いた情報提供手段が効果的であること。

を検証する。

ユーザーは、実証実験専用アプリをスマートフォンにインストール/起動し、なんば駅周辺に複数設置された実証実験専用マークのOOHにスマートフォンをかざすと、ユーザーに合わせた言語で近隣の商業施設におけるキャンペーン情報と、実験の目的地である免税カウンターへの案内地図情報を得ることができる。

免税カウンターではスマートフォンをライトにかざしたり、自動の位置測位を行うことで目的地にチェックインし、特典を得ることができる。

今回の実証実験では「ユニバーサルオブジェクト認識」が技術のポイントだという。実験では、画像、可視光、音波/無線等の各種認識技術を連携させることにより、ユーザーがOOHに“かざす”行為と、目的地へのチェックイン(“近づく”行為)を単一のアプリで実現し、ユーザーの利便性向上を図る。これを実現する技術が「ユニバーサルオブジェクト認識技術」で、さまざまな認識手段を統合管理するプラットフォーム・共通的なAPIを有し、クライアントアプリから呼び出しが可能だという。

ユニバーサルオブジェクト認識 概念図

今回の実験において、NTTデータは実証実験の全体構想策定と運営、およびプロジェクト管理や各種技術を連携させたスマートフォン用アプリの開発・運用、および認識/測位データの蓄積によるO2O2O導線把握、誘導に関する課題抽出と結果分析を行い、NTTは「ユニバーサルオブジェクト認識技術」、「アングルフリー物体検索技術」、「電子透かし技術」の提供、および実装に関する技術支援を行う。

今後は、NTTグループやパナソニックの技術のさらなる連携を図り、2020年に向けた訪日外国人向けおもてなしサービスの実用化を進めていくという。