Mozillaは6月7日(米国時間)、WebブラウザFirefoxの正式版を「Firefox 47」にアップデートした。ビデオ関連の機能のアップデートが行われているほか、Firefoxアカウントを通じたタブ同期の利用体験が向上している。
ビデオ関連では、高速なPCでVP9コーデックが有効になる。またFlashがインストールされていない環境において、埋め込まれたYouTubeビデオがHTML5で再生されるようになった。Windows版およびMac版でGoogleのWidevine CDMがサポートされており、Amazon Videoのようなビデオストリーミングサービスで再生がSilverlightから暗号化されたHTML5ビデオに切り替わる。
2014年4月に公開したFirefox 29でFirefoxアカウントによる同期(開いているタブ、ブックマーク、パスワード、設定、履歴、拡張機能など)を実現して以来、MozillaはFirefoxアカウントを通じたパーソナライズの向上に努めてきた。特に近年力を注いでいるのがデスクトップとモバイルの同期体験の改善だ。Firefox 47では、他のFirefoxで開いているタブの閲覧や検索をサイドバーから素早く行えるようになった。
これらのほか、httpsリソースの進む/戻るのナビゲーションで、no-cacheを利用できるようになった。セキュリティの修正は13件で、2件の「重要」を含む。
モバイル向けはAndroid用のバージョン47が同日にリリースされた。新機能は1つ。「高度な設定」で「Webフォントを表示」のオン/オフをユーザーがコントロールできるようになった。モバイルデータの消費を抑えたい場合、Webフォントの表示をオフにすることで削減できる。また、URLバー(Awesomebar)にファビコンが表示されなくなった。これはファビコンのコピーを使ってなりすます詐欺的な行為(HTTPS spoofing)を防ぐためだ。
Firefox 47のシステム要件は、Windows版がWindows XP SP2 / Server 2003 SP1 / Vista / 7 / 8 / 10。Mac版がMac OS X 10.6以上。Linux版の必要パッケージは、GTK+ 3.4以上 / GLib 2.22以上 / Pango 1.14以上 / X.Org 1.0以上(1.7以上を推奨) / libstdc++ 4.3以上。Android版はAndroid 2.3およびAndroid 4.0以降の端末と互換性があるが、バージョン47がAndroid 2.3.x (Gingerbread)をサポートする最後リリースになる。