ミュートスとIDCフロンティア(IDCF)は6月6日、製薬業界向けクラウド型データウェアハウス(DWH)分野で協業すると発表した。

同協業に基づきミュートスは、ビッグデータ分析基盤サービス「Yahoo!ビッグデータインサイト」上でクラウド型のDWH「Medical DMP」を構築し、8月からサービスの提供を開始。同サービスは、ビッグデータの収集、保存、分析に必要なインフラをパッケージし、IDCFのデータセンター及びクラウドサービス上で提供。オンプレミス型DWHと比較してシステム構築費を初期投資額で10分の1以下に、投資総額で2分の1以下に抑えることができるという。

「Medical DMP」の構成イメージ

さらにチャネルミクスの数やデータ量に応じた従量課金や、分析規模に応じたスモールスタートも可能。とくに従来のクラウド型DWHでは、データの保存先が海外の場合、セキュリティ面で不安要素があったが、IDCFが国内の自社データセンターで一貫運用するクラウドサービスをインフラに採用することで、オンプレミス型と同等のセキュリティを確保できるようになる。

ミュートスは製薬業界向けにCRMを提供していく上で「チャネルミクスの多様化」「肥大化するデータ量」「製品・マーケティング戦略の加速化」の3点を課題として捉え、容易に開始でき、安価に大量のデータを維持できる「カジュアルな」データ蓄積プラットホームとして「クラウドDWH」を推進している。

今回の「Medical DMP」においては、提供地域が日本国内であること、JavaScriptタグやtd-agentをはじめとした多彩なコレクタが標準装備され、容易にデータを収集できること、そして信頼性が高く、セキュリティに優れたIDCF国内データセンター上でDWHを展開できることを評価し、「Yahoo!ビッグデータインサイト」を採用した。

IDCFは、データセンター事業を基盤としたクラウド事業の拡大を推進しており、クラウドでデータを処理するだけでなく、「データ集積地(データも集積するセンター)」となるべくビジネスモデルの変革を進めており、自社データセンターおよびクラウドサービスやビッグデータ分析サービスを生かし、さまざまな業種やサービスなどで蓄積されるデータの有効活用や、顧客のITインフラ利用に革新をもたらすサービスの提供に取り組むとしている。