5月26日、27日の2日間、賢島(三重県志摩市)で開催されたG7伊勢志摩サミットで、2001年にタリバン政権によって破壊されたアフガニスタンのバーミヤン東大仏天井壁画の復元(クローン文化財)が披露された。この作品「天翔る太陽神」は、サミット会場の志摩観光ホテル内に「テロと文化財」として展示され、26日夜、各国首脳がこの壁画を視察、鑑賞しながら平和と文化財保護のための一層の協力を語り合った。

写真 バーミヤン東大仏天井壁画「天翔る太陽神」破壊前復元 2016年制作 (展示されたクローン文化財)

写真 復元のための彩色風景

なおこの作品は、東京藝術大学構内の美術館陳列館で6月19日(日)まで開催の「アフガニスタン特別企画展『素心 バーミヤン大仏天井壁画』 -流出文化財とともに-」でも紹介されている。東京国立博物館で同時開催の「特別展『黄金のアフガニスタン』-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」と共に、展示作品はアフガニスタン内戦の混乱下で海外に流出して日本で保護された文化財だ。それら作品群は、2001年にバーミヤン大仏と壁画が破壊された直後から、国際社会に向けて保護と保管を訴えた故平山郁夫(ひらやま いくお)元東京藝術大学学長の呼びかけで収集・修復されたもので、この展示を機に、「母国返還式」が執り行われるという