米OracleのJava関連の知的所有権を米Googleが侵害したとする訴訟で、米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所の陪審がGoogleのフェアユース(公正利用)を認める評決を下した。
この係争は2010年にOracleがGoogleを同地裁に提訴して始まった。Oracleが問題とするJava APIが著作権法の対象ではないという一審の判決を受けて、2012年にOracleが上訴。2014年に控訴裁において問題のJava APIが著作権で保護されるという判断が下されたが、フェアユースについては地裁に差し戻された。
Googleのフェアユースを巡る争いはソフトウエアの相互運用性への影響という点でも注目され、差し戻し審理ではAPIの解釈が争点になった。陪審員に対して判事は、Javaプラットフォームを本棚に喩え、棚を整理するルールがAPIであるとした。APIによって、プログラマは必要な情報を見つけ出せる。GoogleはAndroidでもJavaプログラマが同じようにソフトを書けるようにルールに整えた。そうした審理を経て、陪審員は公正利用を認める判断で一致した。
EFF(電子フロンティア財団)のParker Higgins氏は「ソフトウエアの相互運用性を目的とした開発において許可やライセンスは不要であるという見方の正当性が認められた点で重要」とコメントしている。ただし、これでOracleとGoogleの係争は決着ではなく、Oracleは控訴する考えを表明している。