NTTデータMSE、京都大学、熊本大学、NTTドコモは5月10日、着用することで心拍などの生体情報を取得できる「hitoeウェア」を活用したドライバー向け眠気検知システムを開発し、同システムの実証実験を開始すると発表した。

今回、京都大・熊本大学が新たに開発した眠気検知アルゴリズムを実装したスマートフォン向け専用アプリをNTTデータMSEが開発、同アプリをインストールしたスマートフォンに、hitoeウェアおよびドコモが開発した「hitoeトランスミッター01」が取得した心拍データを送信することで、夜間や長時間運転をするドライバーの眠気を検知し、ドライバーにアラート通知するとともに、管理者にもメールでアラート通知する。

実証実験のイメージ

眠気検知アルゴリズムは、覚醒時の心拍パターンを正常とし、多変量統計的プロセス管理という工学的手法を用いて、心拍間隔の平均や副交感神経の活性度など8種類の心拍変動指標から、正常時の心拍パターンとの差から眠気を判断する新たに編み出されたもの。

同システムでは、ドライバーがhitoeウェアを着用するだけでふだんと同じ自然な状態で心拍データを取得することができるため、運転を妨げることがないとしている。

将来的には、取得した心拍データをクラウド上に蓄積して、管理者が過去の心拍データとの比較や傾向を把握する機能の追加、車載器などから取得した白線逸脱や車の揺れなどの操作情報と、心拍変動指標を連携した統合的なデータを解析するアルゴリズムを新たに開発することで、さらにドライバーや管理者をサポートできる仕組みを目指す。