三菱航空機は4月21日、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)に関するWEB情報発信ツール「MRJ Newsletter」第12号にて、4月のトピックスを発表。初号機による連日の飛行試験に続き、2号機も走行・飛行試験に向けてエンジン試験の段階に移行した。

3月31日には能登空港上空で低空飛行を実施

3月の中旬以降、飛行可能な気象条件では連日飛行試験を実施。片エンジンでの飛行、エンジンや補助動力装置の空中停止・再始動、非常用発電機の機能点検など、安全飛行に関する特性や緊急時のシステム機能・操作手順に関する多くの項目を飛行で確認している。3月31日には、能登空港にて滑走路上の低空飛行を実施。この飛行では、速度・高度等を地上・機体の両方で計測し、その結果を照合することで、搭載計器を校正するためのデータを取得した。

飛行試験の初期フェーズを計画通り完了した1号機は、4月13日~5月中旬まで計画改修に入り、今後の試験で必要となる計測機器の搭載等を行った。2号機はエンジン試験を実施し、5月より走行・飛行試験に移行する予定。

機能試験中の2号機

MRJ開発は型式証明取得に向けて新たなステージを迎えるにあたり、4月1日より三菱航空機は新たな役員体制を構築。日本・シアトル・モーゼスレイクの3拠点体制にて試験を着実に実行し、開発を加速していく。

新体制では、三菱重工で機体設計のキャリアをもつ副社長の巽重文氏がシアトルエンジニアリングセンター長を兼務し、シアトルでの開発全体を取りまとめる。モーゼスレイクフライトテストセンター長を兼務する副社長の石川彰彦氏は、三菱重工の製造部門で得たフライト準備作業や機体メンテナンスの知見を生かし、飛行試験を指揮する。なお名古屋では、副社長の岸信夫氏が引き続きチーフエンジニアとして開発作業を統括する。

米国三菱航空機(MITAC-A)では北米地区のエアラインへMRJをPRするため、キャビンモックアップのPRキャラバンを実施。モックアップをトレーラーに積載して各地を巡るキャラバンの側面にはには、大きくMRJが羽ばたいている。4月5日に展示会(MRO America)開催中のダラスを皮切りにスタートし、その後、Trans States Holdings(TSH)の本拠地であるセントルイスを訪れた。

MRJが舞う北米モックアップキャラバン

三菱航空機は「北米は世界で最もリージョナルジェットの運航機数が多く、需要が高いエリア」と定め、MRJの紹介・導入拡大を図るべく、モックアップキャラバンは5月中旬まで北米を疾走。最終展示場所のシャーロット(RAA・北米リージョナル航空業界の年次総会開催地)を目指す。

キャラバンの中には客室を設置

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