4月1日に創業40周年を迎えたAppleが、本社キャンパス(カリフォルニア州クパチーノ)に海賊旗を掲げた。

この旗は、Macintosh開発チームの一員だったSusan Kare氏が1983年に描いた海賊旗のレプリカだ。Steve Jobs氏の「It's better to be a pirate than join the navy. (海軍に入るくらいなら、海賊になったほうがいい)」という言葉を表現している。

Macintoshの開発は、当時の経営陣からLisaの担当を外されたJobs氏が、理想のパーソナルコンピュータを目指して進めたプロジェクトだった。社内の本流プロジェクトではなかったが、作品と呼べるような製品を作っているという誇り(リアルアーティストシップ)、そして世の中を変えるという気概(海軍よりも海賊になれ)を植え付け、開発チームを奮い立たせた。Macintosh開発は困難を極め、週80時間以上も働いても計画は遅れたが、開発の志が疲弊したチームを支えた。

1983年、80人以上の部門に成長したMacintoshチームは「Bandley 3」という大きなビルに移った。Macintoshチームのオリジナルメンバーの1人Andy Hertzfeld氏の「Pirate Flag」によると、Lisaチームから移ってきたプログラマーのSteve Capps氏が、Macintoshチームが自分たちのことを海賊というなら海賊の旗を立てるべきと提案した。そしてCapps氏が黒い布を縫って旗を作り、UIデザイナーのKare氏がMacintoshチームの志を表現した海賊旗に仕上げ、日曜の夜中にビルに忍び込んで旗を立てた。Macintosh部門になっても、Macintoshチームは海賊であり続けることを示した。

Macintosh開発、Lisaチームとの対立から生まれた海賊旗だが、今では「1984」や「Think different」と同じようにAppleのカウンターカルチャーや革新・開拓精神の象徴になっている。

以下の動画はAppleが3月21日に米カリフォルニア州サンフランシスコで行ったスペシャルイベントのオープニングを飾った「40 Years in 40 Seconds」というビデオだ。Appleが誕生してから40年の歴史を40秒にまとめている。