旧態依然の本部機能改革を 経団連が大学・研究開発法人に要求

  [2016/03/22]

産学官連携の「本格的な共同研究」を実行するには、大学・研究開発法人の旧態依然の本部機能を改革することが不可欠だ、とする提言を経団連がまとめた。企業に対して「本格的な共同研究」の企画と提案を行い、実行を支援する体制の構築や、硬直的な「知的財産管理(成果管理)」体制・ルールの改善などを、大学・研究開発法人に求めている。

提言は、17日開かれた「科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術・イノベーション会議有識者議員との会合」で配布された。「本格的な共同研究」とは「将来のあるべき社会像等のビジョンを企業、大学・研究開発法人等が共に探索・共有し、基礎・応用や人文系・理工系等の壁を越えてさまざまなリソース(経営資源)を結集させて行う」とされている。現在の産学官連携による共同研究が「個々の研究者間での純粋な『研究活動』が多数を占めている」と見た上での要求だ。

「本格的な共同研究」を進めるため大学・研究開発法人に注文している中には、以下のような対応も含まれている。「本部のリーダーシップ、全面的な支援により迅速な交渉・契約がなされる仕組みの確立」、「共願特許の非独占的な実施には『不実施保障料』(企業と大学・研究開発法人などの共願特許を企業側が実施する際、共同研究相手である大学・研究開発法人などに対価を支払うルール)を請求しないなど、契約の柔軟化」、「研究者・教員・ポスドク・学生などが共同研究へ参画する際に必要な営業秘密管理の徹底、職務発明制度・技術移転に関するルールの整備」などだ。

人材が企業、大学・研究開発法人間で容易に行き来できるよう「クロスアポイントメント」(研究者などが、大学や公的研究機関、民間企業などの間で、それぞれと雇用契約関係を結び、各機関の責任の下で業務を行うことが可能となる仕組み)の拡大に向けた教員人件費の柔軟化などの環境整備も求めている。

「クロスアポイントメント」については、政府に対しても「活性化に向けた、組織内の環境整備・慣習的な課題解消などに向けたリーダーシップと、同制度の普及に向けた啓発活動」を促している。さらに、各大学・研究開発法人における「産学官連携」「本格的な共同研究」の強化の度合いに応じた、運営費交付金の重点的な資金配分など、「共同研究の強化が財務基盤の弱体化や教育・研究の質の低下を招かないためのシステム改善と、産学官連携が加速する強力なインセンティブシステムの設計」を求めた。

このほか提言は、企業と大学の連携が進んでいないことを裏付ける数字も、総務省などの統計データを基に挙げている。民間研究開発費は国民総生産(GNP)比で、米国の1.9%に対し、日本は2.5%。一方、直近3年の新事業売上比率は、米国が11.9%であるのに対して日本は6.6%にとどまる。また、大学の研究費もGNP比で米国が0.4%に対し、日本は0.7%。しかし、日本の大学の特許収入は米国の大学の150分の1でしかない、としている。

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