俳優のムロツヨシが主演を務めるTBS連続ドラマ『悪党たちは千里を走る』(毎週水曜23:53~24:23)の第2話が、本日27日に放送される。ほぼマンションの一室というワンシチュエーションで展開される"会話劇"に注目だ。

左から園部(ムロツヨシ)、高杉(山崎育三郎)、三上(黒川芽以)

同ドラマは、ムロ演じる主人公・高杉篤郎と、山崎育三郎演じる園部優斗、黒川芽以演じる三上菜摘子の3人が、謎の天才犯罪者によって誘拐犯にさせられてしまうというユーモラスサスペンス。

第1話では、制作会社のドラマディレクター・高杉(ムロ)が、上司と衝突して会社を辞め、1千万の借金も背負わされてしまう。高杉は、アシスタントディレクターの園部(山崎)と今後について話す中で、身代金目的に大金持ちの渋井家の愛犬を誘拐することをひらめく。そこへ、謎の女・三上(黒川)が乱入し、さらに、盗聴器を仕掛けていた渋井家の息子・巧(大西利空)もやってきて、自分を誘拐するよう提案。そんなことはできるはずもなく高杉は巧を帰すも、直後に高杉の携帯に正体不明の人物から巧を誘拐したと連絡があり、高杉に誘拐犯になるよう命じるという衝撃の展開となった。

そして、本日放送の第2話では、誘拐したと電話してきた人物がジョン・レノンと名乗り、タブレットに届いた映像には捕らえられた巧の姿が。高杉たちは巧の自作自演ではないかと疑うが、ジョン・レノンは携帯とタブレットを使って3人を翻弄し、追い込んでいく。

同ドラマが特異なのは、物語がほぼ、高杉が暮らすマンションの一室で展開されていくという点。そういう意味でシチュエーション的な転換は少ないが、高杉、園部、黒川のスピード感のある掛け合いの芝居がテンポよく進んでいく。そして、誘拐事件というシリアスな題材でありながら、ムロお得意のコミカルな演技がところどころに飛び出し、さらに、ムロだけでなく山崎のオーバーなリアクションも笑いを誘う。黒川のキレ気味トークもパンチ力あり。3人の会話劇に引き込まれる。

また、ジョン・レノンの正体はだれなのか、その推理もおもしろい。まるで高杉の部屋を監視しているかのように、こちらの状況を把握しているのはなぜなのか。また、重要な場面の時にあの人が姿を消すのはなぜか。見ているこちら側も混乱させる展開になっている。

プロデューサーの池田克彦氏は、見どころである高杉のマンションで行われる3人の会話劇について、「ひとりの立ち位置が変わるだけで"2対1"の状況が"1対2"になり、形勢が一気に逆転する仕組みなど、ワンシチュエーションだからこそ作れる面白みを意識してドラマを作りました」と説明。「生来の喜劇役者であるムロツヨシさん、ミュージカルの世界でずっと生きてきた山崎育三郎さん、子役から20年以上のキャリアを持つ黒川芽以さんが生き生きと掛け合いをしている様子を、まるで舞台でお芝居を見ているように視聴者に楽しんでいただけたら」と語っている。

(C)TBS